プーチンの終わりか、政権の思う壺か? 続くロシアの反政権デモ
9月に行われる市議選への野党候補の立候補が不当に阻止されたことで、モスクワで市民による抗議デモが続いている。国民の間には、政治的、経済的なロシアの現状に対する不満が高まっており、これが市民をデモに向かわせていると見られている。
◆近年最大のデモ。市民の怒り高まる
デモは7月から5週にわたって続いている。きっかけは、モスクワ市議選への野党候補者たちの出馬が妨害されたことだ。モスクワ市議会選挙では、無所属候補は候補者登録のために5000人の署名を集めなければならない。野党候補者が署名を提出したところ、選挙管理委員会が、署名に不備があるとして約30人の野党候補の立候補を却下した。多くは、現政権に批判的な候補者だったという(ウェブ誌『Vox』)。
市民は野党候補を失格にしたことに抗議し、モスクワ選挙管理委員長への面会を求め、7月14日に2000人が行進を行った。その後、抗議活動は毎週末続き、8月10日には5万人が集結する近年で最大のデモとなった。すでに1000人以上が拘束、逮捕され、警察による暴力も確認されている。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)は、今年のデモは、プーチン大統領が首相から大統領に返り咲いたことに抗議した、2011年から2013年までのデモによく似ていると述べる。当時デモは各地で起こり、モスクワの中心部では10万人が参加した。今回の場合も、ほかの都市でもデモが起こっており、不安と不満がモスクワを越えて広がるのではないかとVoxは述べている。
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