ベトナムの迷信:茶碗に箸を突き刺すべきではない理由
著:Loa 本記事はベトナム独立系ニュースサイト兼ポッドキャスト、ロアのビン・チャンにより投稿されたものである。記事共有の合意のもと、グローバル・ボイスに転載している。
あなたはベトナムで茶碗に箸をまっすぐ突き立てた時、手をぴしゃりとたたかれたことはあるだろうか? これはいったいどういった理由なのか? ベトナムでよく知られた他の迷信とともに、このことについて調べてみよう。
1.黒猫
黒猫は世界の多くの地域で悪い兆しとされる。一方ベトナム人にとっては、黒猫が家に入ってくると災難が起きると言われている。
我々はホアン・マイ・グエン教授から秘められた事情を聞いた。
グエン教授によると、この迷信は誰かが亡くなったときに猫が家に入ってきて棺の上を飛び越えると、死者が起き上がると信じられていることから来ていると言う。どうやら、科学的な根拠なく、何世代にも渡って語り継がれている話が原因らしい。しかし誰もそうしたことは起きて欲しくないから、この状況が起こらないよう人々はあらゆる努力をするのである。
2.奇数で写真を取らない
ベトナム人の結婚式に参列した経験があるだろうか? もし皆で集まって写真を撮ろうとして参列者の数が奇数だった場合、もう一人が集団に飛び入りすることに気がついただろうか? さて、この背景には「理屈」がある。
ベトナムの迷信では、奇数集団の写真中央の人間は最初に亡くなると言われている。特に写真に3名しか写っていないと中央の人物が最初に亡くなり、もし中央の人が亡くならなかったら、その時は3名全員に災難が起こると言われている。
もう一度言うが科学的根拠はない。しかしそんな危険を冒したい人間が居るだろうか?
3.茶碗に突き立てられた箸
もしあなたが、茶碗に箸をまっすぐ突き立てていたら、年配のベトナム人はゾッとしたような反応を示すだろう。どうしてだろうか?
箸を突き立てた茶碗が、線香を立てた香炉に似ているからとする説がある。
グエン教授によると、香炉はそれほど縁起が悪いものではない。しかし故人を偲ぶ式典でかなり頻繁に使用されるため、家族の死と関連付けられることが多い。グエン教授は、箸を茶わんに付き立てたことが原因で縁起の悪いことが起こる根拠は無いと述べている。しかし学生のラン・ブィは箸を茶碗に突き立てないよう配慮しているという。
その迷信が不運をもたらすかどうか個人的には分かりませんが、私は箸をお茶碗に突き立てるのは不作法だと思うので、やはり避けています。私にとっては一種の礼儀正しさなのです。
さて、3つのよく知られたベトナムの迷信について簡単な概要を見てきた。配慮なのか、あるいは災難が起きるリスクを避けるためなのか、今のあなたなら迷信にこだわるかどうか、以前より情報に基づく選択がたぶんできるだろう。
こちらのポッドキャストを聴いてベトナムの迷信についてもっと学ぼう。
This article was originally published on Global Voices(日本語). Read the original article.
Translated by Kaoru Amagai
Proofreading:Moegi Tanaka,Masato Kaneko