「最も幸福な州」と「最も不幸な州」の差とは? そこから見える幸せの要素
◆「幸福な州」最下位はすべて南部州
「幸福な州」ランキングでは上位の常連が毎年ほぼ同じ州だが、下位もまた同様で、今年の幸福州ランキング最下位のウエストバージニア州は昨年も最下位だった。ではいったいウエストバージニア州の何が不幸なのだろうか? 1位のハワイ州と比較してみよう。
まず、前出のWalletHubが2017年に公表した「最も肥満度が高い州」を見てみよう。1位は深南部ミシシッピ州で、ウエストバージニア州は2位に入っている。そして3位はテネシー州、4位アーカンソー州、5位ルイジアナ州とすべて南部州である。ちなみに6位ケンタッキー州、7位アラバマ州、8位オクラホマ州、9位サウスカロライナ州も南部州で、アメリカの肥満人口、つまり不健康な人々は南部州に集中していると言っても過言ではなさそうだ。逆に、肥満度が最も低い州は、1位コロラド州、2位マサチューセッツ州、3位ユタ州、ハワイ州は4位に入っている。
肥満度とも関連してくるが、ユナイテッド・ヘルス・ファウンデーションが2017年に発表した「最も不健康な州」ランキングでは 1位がミシシッピ州、2位がルイジアナ州、3位アーカンソー州、4位アラバマ州、5位ウエストバージニア州と、順位こそ変わるが顔ぶれはほぼ同じ南部州ばかりである。逆に「最も健康な州」1位はマサチューセッツ州、ハワイ州は2位に入っている。3位はバーモント州、4位はユタ州、5位はコネチカット州だった。
次に経済面を見てみよう。米労働統計局によると、2018年9月現在、全米で「最も失業率が高い州」は1位がアラスカ州で6.5%、2位はワシントン特別区(ワシントンD.C.)で5.7%、そして3位はウエストバージニア州で5.2%となっている。逆に「最も失業率が低い州」1位はハワイ州で2.2%、2位はアイオワ州で2.5%、そして3位はアイダホ州で2.7%だ。ハワイ州は観光業が特に盛んで、どの人種・国籍・民族にも仕事の需要がある。レストランやホテルなど、次から次へと新しいビジネスが興されるため常に人員を募集している状態であると言っていい。
また経済情報サイト『24/7WALLST』が行った調査によると、全米で「最も貧しい州」1位もウエストバージニア州だった。2位はミシシッピ州、3位はアーカンソー州とこれも常連である。逆に「最も富裕な州」1位は東部メリーランド州、2位も東部ニュージャージー州、3位にはハワイ州が入っている。
◆人間の「幸福」と「不幸」の重要な要素とは
上のようなランキングを全体的に見ると、ハワイ州は全米で最も住民が心身健康であり、また経済的にも比較的健全な州であることがわかる。そしてウエストバージニア州がその対極にあることも明らかだろう。
人間の幸せには様々な要素があるが、特定の地域に住む人々の「心身の健康」と「経済的健全度」の2つが、幸せと不幸を分ける重要な基礎となっていることは間違いなさそうだ。
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