ベネズエラ、腐った肉にも買い求める人の列 続く停電と食料危機
通りの反対側にある別の精肉店では、シャツも着ないで半裸の店主が煙草をふかしながら黒ずんだ肉の切り身を皿に盛って販売している。
店主のホセ・アギーレ氏は「みんな肉を買いに来る」と言い、傷んだ鶏肉を売りさばいていた。
駐車場の監視員である55歳のルナ氏は、腐っていると知りながら1kgの肉の切り身を買って自宅に持ち帰り、肉を食べられるようにしようと手を尽くしていた。
ルナ氏の妻は昨年、6歳、9歳、10歳になる男の子たちを置き去りにしてコロンビアへ逃亡した。彼女は空腹にこれ以上耐えられなかったのだとルナ氏は言った。それ以来、妻からは何の音沙汰もない、という。
ルナ氏は、肉の用意をしながら、最初に水で肉をすすいで、その後、酢に一晩漬け込んでおくのだと言った。そして、レモンを2つ搾り、その果汁、トマト1個、玉ネギ1/2個を肉と一緒に煮込んだ。
こうして煮た肉を、ルナ氏と子供たちは食べた。
「子供たちがまだ幼いから、みな病気になるかもしれないと心配した。でも、下痢になったり吐いたりしたのは一番下の子だけだった」とルナ氏は言った。
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