アメリカの幸福な州、1位は意外な中西部の州 2位ユタ、3位ハワイ
◆ミネソタ州が最も幸福な理由とは?
「ハッピー」というと南国がまず思い浮かぶが、ハワイ州を抑えて中西部のミネソタ州が1位という結果に驚いた人も多いのではないだろうか? ミネソタ州の場合、各要因で飛び抜けて高いスコアはなかったものの、その多くで上位に入ったことで、特に社会的な面では「最もバランスの良い州」と言うことが出来そうだ。
2位のユタ州は3つのカテゴリーのうち「仕事の環境」と「コミュニティーと環境」の2つで1位という結果だった。統計情報サイト『WorldAtlas』によると、ユタ州のモルモン教徒率は何と人口の67.7%と7割を占めるという。結果として教会活動が盛んとなり、コミュニティーとしてのつながりが強くなっていると思われる。しかし、「精神との肉体の健康度」が低いのが気になるところだ。
そして3位はランキング常連のハワイ州。「精神と肉体の健康度」で1位となり、28の要因を見るとうつ患者の割合が最も低いなど、精神的・肉体的な意味合いではハワイの幸福度が全米で最も高いことが判る。
◆ハワイ州民の悩みは生活費の高騰
では、ハワイの人々の幸福を奪う要素とは一体何だろうか? ハワイに過去20数年間居住してきた筆者に言わせれば、それは「生活費の高さ」である。
気候が年中温暖で生活環境も良く、人々も親切なハワイで暮らしたいと思う人々は世界中にかなり多いため、米国本土のみならず外国からの移住希望者が多い。そうなると、人口増加と共に土地と住宅の値段が高騰し生活費も年々上昇してくる。米経済サイト『Kiplinger』によると、ハワイ州都ホノルルは2017年度「生活費の高い都市」で1位ニューヨーク(マンハッタン)、2位サンフランシスコに続く3位で、全米平均より88.3%生活費が高いという。
前出の幸福ランキングではハワイが「最も十分な睡眠時間」で全米最低の50位となっているが、それは生活費を稼ぐために朝早くから夜遅くまで仕事を複数掛け持ちしている人が多いからかもしれない。
◆「全米で最も幸福な州」最下位はどこ?
では、アメリカで「最も幸福ではない」州はどこだろうか?
前出のWalletHubによると、「全米で最も幸福な州」最下位の5州は、46位がアーカンソー州、47位がアラバマ州、48位ルイジアナ州、49位オクラホマ州、50位ウエストバージニア州という結果に。また44位ケンタッキー州、45位ミシシッピ州で、なんと最下位7州が「レッドステート(Red States)」と呼ばれる共和党支持の強い南部州という結果だった。
住む場所により人間の基本的な幸福度は大きく変わることもある。しかし、幸福な州に住んでいれば幸せになるか、幸福でない州に住んでいれば不幸になるか……と言えばそういうわけでは決してない。大切なのは1人1人の心の持ち方でもあるのだ。
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