「政府への信頼」急落の米国、84%信頼でトップの中国 エデルマン調査
アメリカ政府の国民からの信頼が急落している。世界的PR企業であるエデルマンは、2018年版『信用バロメーター』調査の結果を発表した。政府、企業、メディア、NGOそれぞれへの信頼度の平均値である全体評価では、昨年52%で「中立的」とされたアメリカは、今年43%となり「信頼されていない」との判定に沈んだ。一方で経済の躍進などを背景に中国は、調査対象の28ヶ国中1位に躍り出ている。政府への信頼度についてもアメリカは、昨年比14ポイント減の33%となり、国民の約3人に1人しか政府を信頼していない現状が浮き彫りになった。
◆「驚異的な信用の欠如」
ワシントン・ポスト紙(1月23日)は米組織の信用低下を受け、伝統的なリーダーシップの形態に対する信頼が「完全に損なわれて」おり、恐怖の感情に支配されているとする、国際政治学の教授であるダニエル・ドレンザー氏の記事を掲載した。記事は、特に知識層による回答結果において、信頼度の全体評価が68%だった昨年に比べ、23ポイントも急落した点を指摘している。
政治への不信も際立つ。調査結果を発表したエデルマンは、「政府に対する驚異的な信頼の欠如」が起きていると表現する。経済が堅調であり、日本の福島の原発事故などといった要因もないにもかかわらずこのような結果が出たことについて、「前代未聞の信頼の危機」だとしている。
米アトランティック誌では、貨幣にも刻まれているアメリカの標語「In God We Trust(我ら神を信ず)」を踏まえ、たしかに神のほかに信じられるものはないようだ、と風刺した。
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