Facebookが新米ママの心を不安にさせる理由とは
著:Sarah Schoppe-Sullivan(オハイオ州立大学 Professor of Human Sciences and Psychology; Faculty Associate of the Crane Center for Early Childhood Research and Policy)
あなたはこの2、3日シャワーも浴びていないし、今朝の歯磨きも済んでいない。
でも、あなたの子供は今日で満1カ月!完璧な写真が撮れるように、とっておきの服を着せ、光の当たり具合も調整した。今朝、Facebookに最高の一枚を投稿して、誰かが「いいね!」を付けてくれるのを何度も確認している。
しかし、数々の「いいね!」やコメントに目を通してから、あなたは気づいてしまう。インターネット好きの義理の母親がまだ愛する孫の写真に反応してくれていないことに。
どうして?何があったのか?もしかしたらまだ見ていないのかも…それとも洋服が気に入らなかったのか…。ひょっとして、あなたのことをあまり良い母親だと思ってくれていないのかもしれない。
高校時代からの友人はどうだろう?あなたはいつも彼女の子供たちの写真に「いいね!」をしているし、コメントもしている…それなのになぜ彼女はあなたの赤ちゃんの写真を受け入れてくれないのだろう?もしかすると、自分はだめな母親だということなのだろうか、とあなたは思う。
こんなシナリオはばかげていると感じる人もいるだろう。しかし、初めて子供を産んだばかりの母親がFacebookを使うと、現実にこんなことがしょっちゅう起こるのだ。
そういうわけで、私の教え子の大学院生が、子どもが生まれたばかりの両親とSNSのかかわり方について調査することを提案してくれた時、私はそのチャンスに飛びついた。彼らは、私が取り組んでいる子育て研究「New Parents Project」にそれを加えるよう勧めてくれたのだ。私は親になりたての人がSNSを使用する頻度や、特に利用頻度の高い人の動機、そしてそれが彼らの精神衛生にどのような影響を与える可能性があるのか、について興味があった。ここにその研究結果を紹介していく。
◆なぜ投稿せずにいられないのか?
Darkdiamond67 / Shutterstock.com
新生児の世話で忙しく、疲れている母親がなぜ貴重な時間を使ってFacebook用に完璧な赤ちゃんの画像を作成するのだろうか?さらに、なぜFacebook上の「友人」が子どもの写真にどう反応してくれるかそこまで気にしなければならないのか?友達といっても、家族や近い友人以外の多くはほとんど会うこともないような人たちなのだ。
それは、つながるためだ。新米ママというのはどうしようもなく孤独を感じることがある。
私がFacebookを始めた2008年、私の娘は乳児期を過ぎた頃だったが、私はすぐにFacebookというのは赤ちゃんや小さい子供の写真や投稿だらけだ、と気が付いた。
この現象を認識したのは私だけではなかった。2009年にはFacebook上で親が「オーバーシェア(過度なシェア)」する風潮の中、シェアされた内容をコミカルに紹介する「“STFU, parents”」という投稿型のユーモアサイトも立ち上げられた。
私もまさに、その状態に陥っていた。娘が何かできるようになったり、冒険をしたりする様子を最高の写真に収めようと必死になり、また、「いいね!」やコメントの嵐を待ち望むようになっていた。当時の私はフルタイムで働きながらの子育てに悪戦苦闘しており、その活力源となるものを求めていたのだ。
しかし、いつもそれで元気になれるわけではなかった。