世界に影響を与えるアジアの10代 — Forbes 30 Under 30 Asia

 世界的な経済誌のフォーブスは2017年版「30 Under 30 Asia」を発表した。このリストは、現代の世界に影響を与えている300人のアジアの若い革新者や起業家、リーダーたちを特集したものだ。業界やメディアなどの10カテゴリーを対象に、30歳以下の受賞者がそれぞれの部門で30人挙げられている。受賞者たちは、それぞれの分野で成功している専門家たちの審査によって選ばれた。

 今回はこの「30 Under 30 Asia」で選ばれた受賞者の中でも特に若い、10代で受賞をした5人について紹介しよう。

◆Bisman Deu(19歳)
 彼女は15歳のとき、恵まれない人々のために建物を立てるときに使うことができる米くずでできた低コスト材料「Green Wood」を発明した。その製品は北インドの地域で主な汚染の原因になっている米燃焼の量を減らした。さらに、彼女は「Wearables for Good Challenge」の審査員としてユニセフの活動にも関わっている。また、18歳のときに女性起業家の促進を目指す、「Color the World Pink」という活動も率先して始めた。現在はイギリスにあるウォーリック大学の学生だ。

◆Shravan Kumaran(17歳)、Sanjay Kumaran(15歳)兄弟
 それぞれがまだ10歳と12歳のとき、「GoDimensions」というモバイルアプリ開発会社を共同設立した。現在までに彼らは、余った食料や衣服、家具をシェアするプラットフォーム「GoDonate」など、「App Store」で7つのアプリケーション、「Google Play」で3つのアプリケーションを開発・リリースしてきた。彼らは、インドで最も若いアプリケーション開発者、会社の共同創設者としてAppleから認められている。

◆Kim Minjoon(17歳)
 誰でも医療が入手可能な世界を望んでいる。彼は製造業者を競争させることで、消費者が最大で95%まで割引された医療製品を買うことを可能にするプラットフォーム「Baobab」を立ち上げた。また、9歳のときには「Junbraille」という視力が悪い子供のために3Dプリントの本を開発するスタートアップを立ち上げており、スタートアップ経営者としてのキャリアは長い。

◆Anvitha Vijay(10歳)
 YouTubeでプログラミング教育動画を見て、7歳のときにコーディングを始め、「Smarkins Animals」という5歳以下の子供向けの野生生物について学ぶ手助けをするアプリケーションを開発した。妹が動物を識別する手助けになるようなアプリケーションを作りたかったことがきっかけだったという。9歳のときには、彼女はWWDC(Appleによる世界的な開発業者会議)に若手エンジニア枠で招待され、出席者全員の中で最年少であった。

 彼・彼女らのように10代という若い世代が世界に影響を与えている裏には、テクノロジーの進化の利点が見て取れる。Vijayさんの「YouTubeをきっかけにプログラミングを始めた」ことが象徴的だが、テクノロジーによって知識やチャンスは手に入りやすくなっている。今回紹介した10代の受賞者を含めたアンダー21部門(Youngest)には、合計15人(13組)が選ばれているが、その中に残念ながら日本人の姿はなかった。今後、日本の10代が世界に影響を与えるようなリーダーとして活躍することに期待したい。

Photo via Wikipedia Commons/mark sebastian

Text by Saya Fujiki