「カワイイ」だけじゃない、海外のロリータ 精神的な強さも兼ね備えている、と米誌

 日本の魅力を世界に発信するのに「クールジャパン」だけでは言葉が足りないようだ。近隣のアジア諸国だけでなく欧米でもカワイイ文化が勢力を伸ばしており、特に勢いがあるのがロリータファッションとなっている。もはや「ロリータ」で多くの人々が連想するのはキューブリック監督が撮ったイギリス映画ではなく日本で磨き上げられた個性溢れるファッションのことだと言っても過言ではないかもしれない。

【続々と新店舗がオープン】
 日本のロリータブームは1970年代の原宿から始まったとニューヨーク・マガジン誌は報じている。アメリカでは、日本からの輸入雑誌やインターネットの普及(画像や動画を共有できるTumblrやYouTubeなど)により、2000年頃から斬新なストリートファッションとして流行りだしたという。

 最近では、2009年~2012年に日本人女性とアメリカ人男性がマンハッタンで営業していた、日本の人気ロリータブランドを輸入するTokyo Rebelというショップ(2012年からはネットショップとして運営)が再オープンした。店舗には、ベルスカートやペチコート、大きなリボンを身につけたロリータファッションファンが集まり、観光客が立ち止まって撮影するほどの盛況を見せているという。

 また、日本のポップカルチャーを海外に発信する「もしもしにっぽん」プロジェクトで、多くのファッション&音楽イベントが行われている西海岸でも、日本のロリータファッションやパンクファッションを取り扱うショップが増えているという。

 様々なイベントの中でも、J-Pop Summitはアメリカで開催される日本イベントとしては最大級で、昨年は8万人の来場者を集める盛況ぶりだった。(東京で行われた昨年の音楽フェス、サマーソニックは2日間で約12万人)サンフランシスコで先週末開かれた今年のイベントも、多くの人出があったようだ。

【強烈なインパクトと魅力】
 世界でカワイイとされるには強烈で遊び心があり、とにかく目立つことが重要なようだ。英デイリー・エクスプレス紙の分析によると、イギリスでブームとなっているカワイイ要素の代表的なものは①食べ物のモチーフ ②80年代アニメ ③愛くるしいキャラクターなどだという。

 食べ物の中でもフルーツやスイーツ、ピザなどを型どったアクセサリーや小物はすっかり定番となりつつあるようだ。また、ガーリーなパステルカラーを基調としながらマイリトルポニーやケアベアなどの80年代アニメを取り込んでいるジャパンファッションの一つ「フェアリー系」も人気だという。

 さらに可愛いといえば愛くるしい動物やキャラクターも外すことはできない。ハローキティやマイメロディ、キキララなどのサンリオキャラクターの他にもパンダや子犬、カエルなどの動物モチーフが2011年頃から多く起用され始めているようだ。さらに、日本は猫カフェも有名であるためか、猫ブームも相当な勢いを見せている。

 カワイイファッションは一部のロリータに限らず、英人気ブランドのTopshopやPrimarkなどでも商品に取り込んでいるという。

【カワイイけど強い?!】
 ニューヨークでロリータファッションを楽しんでいる女性は「変な目で見られることもあるので、心を強くすることも大事」とニューヨーク・マガジン誌に語っている。また、業界関係者は「牙を持った可愛らしさ」と表現しており、「大人の女性が自分の強い意思で可愛らしい格好をする」点にフェミニスト的な要素もあるとしている。ファッションを通じて精神的な部分も鍛えられるのが欧米で女性受けが良いポイントなのだろうか。

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Text by NewSphere 編集部