海外メディア、ローラの活躍に注目 ハーフタレントが日本社会を変える? 課題は法的土壌と指摘

 近年、日本の国際結婚は増加の一途にあり、その夫婦の間に生まれるハーフも増加している。在留外国人数は1989年度では130万人だったのに対し、2012年度では、200万人と緩やかではあるが増加している。婚姻件数全体に占める国際結婚の比率は、1989年度では3%だったのが、2006年度では6.1%と、在留外国人数の増加と比例して国際結婚の割合も高くなってきている。

 日本の社会で活躍するハーフや、その取り巻く状況をAFPやディプロマット誌は大きく焦点を当てて紹介している。

【ハーフが日本社会を変える?】
 AFPはハーフタレントのローラさんがしきたりの多い日本社会に食い込み、エンターテイメント業界を一新させた、と評している。

 インタビューに対し、ローラさんは「私は見下した態度で話さないし、お笑い芸人でもない、ただ私は自分を隠さない。私がオープンになることでみんなをオープンにさせたい」と語っている。

 ローラさんはエンターテイメント業界だけでなく、単一民族と言われている日本の“壁”をハーフが打ち砕いていることに同通信は大きな関心を抱いているようだ。ローラさん以外にも、2020年東京五輪招致の立役者の滝川クリステルさんやベッキーさんなどの活躍が日本を変えつつある、と紹介している。

 また、「国籍は重要じゃないと思う。以前の日本人はオープンじゃないから、元気を分けてあげたいと思っていたけど、日本は元気になってきた」とも話している。
  
【タレントに熱狂する日本人】
 AFPは、2002年の「ベッカム現象」を例に挙げ、日本人のタレント(有名人)崇拝は極端だと報じている。

 しかし、ローラさんは有名になったことであまりストレスを感じないようだ。みんなが私を真似たら「クール」だと思うし、私が何かをすることで日本が少しでも良くなれば“最高”と話している。AFPはローラさんの魅力の一つに、ほっぺたを膨らますしぐさや、屈託のない笑顔が日本で熱狂的ファンをつくり、大ブレークを起こしていると伝えている。

 このような無邪気なローラさんのようになりたいと思い、同じ服やバッグを買う日本の若い女性に、心理学者はアニメの世界のような「ベビーフェイス効果」を狙っているのでは、と指摘している。

【ハーフに寛容的になってきた日本】
 ウェブ誌『ディプロマット』は、日本がハーフを徐々にではあるが受け入れてきた、と日本の国際化を評価している。

 ハーフの2重国籍について、22歳までに国籍を決めないといけない日本の現行法を紹介しており、この法に違反しても罰則がないことに疑問を投げかけている。また、日本で生活していく上で賃貸契約に必要な日本人の保証人に対しても日本国籍でないハーフや外国人には未だにハードルが高い、と指摘している。

 少子化の進展に伴い、経営資源の一つ人的資源の確保から見ても、ハーフを受け入れる法的土壌がないと日本の国際化を妨げる可能性になると警鐘を鳴らしている。

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Text by NewSphere 編集部