“アジア1位”の東大、世界では13位 グローバル企業のCEO数など、米大学に軍配
サウジアラビアの世界大学ランキングセンター(CWUR)が、2014年の世界の大学トップ1000を発表した。上位はアメリカ勢がほぼ独占。アジア太平洋地域のトップは、東京大学だった。
【アジアでは日本の大学も高評価】
世界最高峰とされたのは、ハーバード大学で、スタンフォード大、マサチューセッツ工科大、ケンブリッジ大、オックスフォード大がそれに続く。上位10校のうち、8校がアメリカの大学という圧倒的強さで、トップ1000の実に229校は、アメリカ勢だ。以下、中国84校、日本74校、イギリス64校がトップ1000にランクインしている(ウォール・ストリート・ジャーナル紙)。
日本からは、東京大学が13位にランクイン。アジア太平洋地域のみのランキングでは、東大が1位で、京都大(2位)、慶応大(5位)、早稲田大(7位)、大阪大(8位)と日本からh5校がトップ10入りした。ソウル大は4位(世界24位)、北京大は9位(世界55位)だった。
【8つの指標をもとに決定】
CWURは、このランキングを「アンケート調査や大学側のデータに頼らず、教員の水準やその研究の質に加え、学生の教育とトレーニングの質を評価する世界で唯一のもの」としており、以下の8つの指標を用いている(%は全体に占める割合)。
1.教育の質(25%)
一流の国際的な賞を受賞した卒業生の数を、大学の規模に対して相対的に評価。
2.卒業生(25%)
現在世界のトップ企業(フォーブス・グローバル2000)でCEOの地位にある卒業生の数を、大学の規模に対して相対的に評価。
3.教員の質(25%)
一流の国際的な賞を受賞した研究者の数により評価。
4.出版物(5%)
評判の高い学術誌に掲載された研究論文の数により評価。
5.影響力(5%)
非常に影響力のある学術誌に掲載された研究論文の数により評価。
6.引用(5%)
多く引用された研究論文の数により評価。
7.幅広いインパクト(5%)
大学のh指数(論文数と被引用数とに基づいて、科学者の科学的貢献度を示すもの)により評価。
8.特許
国際特許届出数により評価。
【指標は適切か?】
アイルランドのニュースサイト『The Journal.ie』は、トップのハーバード大が8つの指標のうち7つで1位を獲得していると述べた後、CWURの8つの指標を用いる方法論では、ランキングは、アイルランドの学生にとって大した意味を持たないと述べている。
例えば、CEOの数を用いた指標だが、「フォーチュン500企業を率いることが、現実として、アイルランドの学生の究極の目的ではまずない」と断言。また、他の指標も、「影響力を持つ学術誌」への論文掲載や、「一流の国際的な賞を取った」研究者などを極めて重視していると述べた。