京都、世界観光地ランキングで1位 “ただの古都ではない”と評されるその理由とは?
米旅行専門誌「トラベル+レジャー」が発表した「ワールド・ベスト・アワード2014」の人気観光地ランキングで、京都が昨年の4位から上昇し1位となった。英情報誌「モノクル」が先月発表した「世界で最も住みやすい25都市ランキング(2014年版)」では京都は9位となっており、観光地としても居住地としても世界的に高く評価されていることがうかがえる。
【これほど趣のある宿泊施設はまれ】
「ワールド・ベスト・アワード2014」は文化や芸術、食べ物、価格などの観点から、読者が魅力的な旅行先を判断する。観光業界の専門家は投票できないという。
ランキングを発表した「トラベル+レジャー」は京都について、「日本の古都の魅力は桜や寺院、庭園に勝る」と評価している。
京都の門川大作市長は「感無量でうれしい」とコメント。「旅行者に京都の魅力をよりアピールするために市民や事業者と連携した結果だ」と述べた。
ニューヨーク・タイムズ紙は京都の「町屋」を取り上げ、これほど趣のある宿泊施設はまれだと評価。かつて舞子や見習い芸者が住んでいた100年以上昔のタウンハウスが今完全に21世紀基準にリノベートされていると報じている。
同紙によると、2012年の京都で宿泊した人数は1220万人で、そのうち約84万5000人が外国人だったという。旅行者は町屋を再利用した「とても日本的」なショップ・レストラン・宿泊施設に特に魅力を感じていると同紙は指摘した。
【ただの古都ではなく、真の21世紀の都市】
一方、「世界で最も住みやすい25都市ランキング(2014年版)」では東京が2位、京都は9位だった。福岡もトップ10に入った。こちらは文化や景気、犯罪率、公共交通網などを指標としている。
ランキングを行った「モノクル」は「2020年のオリンピックを見込んで盛り上がる東京が2位に上昇した」とした。また9位の京都について「ただの古都ではなく、真の21世紀の都市」と評価。10位の福岡は「独自の道を切り開いた小都市の最たる例だ」と指摘した。
「モノクル」のランキングはほかの類似の統計と違って「ソフト」だとウォール・ストリート・ジャーナル紙は報じている。英調査機関、エコノミスト・インテリジェンス・ユニットの2013年の統計ではメルボルンが1位。世界的な人事・資産運用コンサルタント、マーサーの2014年の統計ではウィーンが1位だった。これらの統計は救急サービスや犯罪率を考慮しており、トップ10に日本の都市は入っていない。