東大アジアで1位も、“日本の優位性は、もはやない”と海外報道 中韓の猛追に注目
英教育専門誌、タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)が18日、2014年のアジア大学ランキングを発表した。
日本は1位の東京大学を初め、20校がトップ100校に入り首位に立ったが、前年より2校減少した。京都大学は7位、東京工業大学は13位、大阪大学は15位(前年13位)。慶応大学(前年53位から72位)と神戸大学(前年73位から88位)は順位を下げた。
2位の中国は、北京大学が5位など、18校がトップ100校に入った。多くの大学がランクを上げ、前年より3校増えた。
3位は14校の韓国で、前年2位だった台湾は13校で4位に落ちた。
【中国政府のねらいは「景気減速に対する防衛手段」】
日本は1位を維持したものの、アジアの高等教育における勢力バランスが変わったとTHEは指摘した。背景に、中国政府による急速な研究費拡大があるという。
香港大学華正中国教育研究中心のジェラール・ポスティリョーネ氏は「中国政府にとって、国際的レベルの大学は景気減速に対する防衛手段だ」と述べているという。
【東大総長「財政力を持つ中国の大学は大きな脅威」】
高等教育において、もはや日本の歴史的な優位性はないという認識が高まっていると、インドの日刊紙『ザ・タイムズ・オブ・インディア』は報じた。
ロンドン大学教育研究所のサイモン・マーギンソン教授は、中国と対照的に、「日本の公共支出は過去20年間でかなり抑制してきた」と指摘したという。
一方、東京大学の濱田純一総長はTHEの取材に対し、「財政力を持つ中国の大学はわれわれにとって大きな脅威だ。今後10年にわたる将来を見通すと、特定分野で恐らくわれわれを追い越すだろう。でもまだ時間がかかる」と語ったという。
【シンガポールと韓国にも注目】
『ザ・タイムズ・オブ・インディア』はシンガポールにも注目した。トップ100位に2校しか入っていないが、シンガポール国立大学が2位、南洋理工大学が11位と健闘した。
また韓国は2011年、研究開発に約600億ドル(国内総生産の約4%)費やすなど、研究・教育に熱心なため、主要大学がランキング上位となったと分析した。
韓国コリア・ヘラルドは、「(韓国は)トップ10位に入った大学数が最多(3校)で、ソウル大学(前年8位から4位)が他のライバルの追随を許さなかった」「世界ランキングではまだ北米や西欧が支配しているが、アジアの大学は大きく進歩しており、西洋の伝統的なエリート校に重大な課題を提供し始めている」という、同ランキングを担当したTHEのフィル・ベイティー編集長のコメントを掲載した。
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