オタク女性へのセクハラ、ネットでの中傷…大手オンラインゲーム「LoL」から学ぶ最も有効な対策とは
世界最大級のポップカルチャーの祭典『コミコン・インターナショナル(Comic-Con International)』が、7月にカリフォルニア州サンディエゴで開催される。コミコン開催に先駆け、セクシャル・ハラスメント対策を制定すべくコミコンに働きかけている団体がある。
『Geeks For CONsent』は、コスプレイヤーを嫌がらせから守るために、ハラスメント対策の制定を要請している。5月24日土曜日の時点で、1500件以上の署名を集めた、と海外メディア『Daily Dot』は報道している。
ゲームや漫画などの、いわゆるオタク文化がポップカルチャーとして注目を集める中、コミコンやオンラインゲームサイトなどにおける、女性に対する性差別的言動が問題になっている。
【ネット嫌がらせ被害者の70%は女性】
シカゴ・トリビューン紙によると、女性は、男性の気を引こうとして、漫画やゲームのファンのふりをしているとして、批判される。『アメリカン・バンパイア』や『バットマン』で有名なコミック作家スコット・スナイダーは、男性読者からレイプの脅迫を日常的に受けている女性コミック作家の事例を紹介している。女性は、脅迫や虐待に関し通報し、助けを求めるべき、とスナイダーは語っている。
アメリカのシンクタンク、ピュー研究所が2013年に行った調査によると、18歳から29歳の若者の23%がネット上で嫌がらせにあった。それら被害者の70%は女性である、と『ワイアード』は指摘している。
深刻さを増すネット上の嫌がらせに関し、どのように対処すべきか。嫌がらせの減少に成功したサイトの例を、『ワイアード』が報道している。
【『League of Legends』の嫌がらせ対策】
6,700万人以上のプレイヤー人口を誇る『League of Legends』は、世界で最も人気のあるオンラインゲームサイトである。
しかし、二年前、大勢のプレイヤーが、他の人の不快な行動を理由に、当サイトから離れていった。これに対し、嫌がらせ問題に関する対策チームが立ち上げられた。
研究の結果、驚くべき発見があった。常時素行の悪いプレイヤーによる誹謗中傷は全体の13%に過ぎなかったのだ。平常はおとなしく、素行の良いプレイヤーによる誹謗中傷が残りの87%を占める。素行の悪いプレイヤーを排除するだけでは問題は解決しない。サイト全体の改革が行われた。
例えば、対戦チーム同士のチャット機能を通常オフにし、プレイヤーが好みでオンにできるように設定が変更された。その結果、80%を占めていたネガティブなチャット内容が30%以上減少した。
また、悪い態度に対する明確なフィードバックも行なわれた。プレイ停止の通告の際、その理由が明らかにされた結果、プレイヤーの素行に改善が見られた。
一番大切なのは、嫌がらせを絶対に許さないという社会的規範を作り出すことだ、と『ワイアード』は指摘している。
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