STAP問題 米紙“検証実験は一度も成功していない”との共同研究者の声を報道

 「STAP細胞」に関する論文について不自然な点があると指摘された問題で、研究の中心人物である理化学研究所(理研)の小保方晴子研究ユニットリーダーが9日、記者会見を行った。大阪で行われたこの会見に各国メディアも大きな関心を寄せた。

【小保方氏は謝罪、同時に論文撤回を否定したが】
 数週間ぶりに公の場に現れた小保方氏は憔悴した様子で謝罪を繰り返した。今回の一連の出来事について小保方氏は、原因は研究者としての自身の未熟さ、能力の不足によるもので、悪意を持って捏造したものではないと主張したことを各国メディアは報道した。

 さらにSTAP細胞の存在について小保方氏は「STAP細胞の作成に200回以上成功している。実験は適正に行われ、データも存在する」として論文の撤回については否定したことも報じた。

 この小保方氏の主張に対しウォール・ストリート・ジャーナル紙は、共同執筆者の一人、若山照彦・山梨大教授から9日にメールで寄せられた「論文は撤回すべき、検証実験は一度も成功していない。STAP現象が本当に存在するなら、まず、信ぴょう性を失った間違いだらけの論文を撤回するのが第一だ」とのコメントを紹介した。

【小保方氏は理研に対し不服申し立てを行う】
 小保方氏は理研に対し不服申し立てを行った。このことについて小保方氏の代理人の三木秀夫弁護士は「悪意がないので、ねつ造や改ざんに当てはまらない。調査はあまりにも早急に行われた。時間をかけて再度検討を行う必要がある」とその趣旨を説明した。

【理化学研究所に対する評価は】
 今回の出来事について、海外メディアは理化学研究所と小保方氏の関係についても触れている。ワシントン・ポスト紙は「小保方氏の共同研究者、指導者の責任は重い。しかし、論文のねつ造、その他の誤りの責任は小保方氏一人」とした理研の見解を紹介している。
 
 一方、ロイターは、以下のような記者会見での質疑応答を取り上げている。
 Q: 「理研が補助金の交付金額を上げるために、特定国立研究開発法人(仮称)の指定前にSTAP細胞の発表を利用したのではないか」
 小保方氏:明言を避けた

 Q: 「裏切られたと感じているか」
 小保方氏:「そのような思いを持つべきではないと思う」

Text by NewSphere 編集部