雅子さまは「菊の玉座の囚人」 欧州大衆誌の皇室報道とは

 皇太子妃雅子さまが9日、50歳の誕生日を迎えた。今月で雅子さまの療養生活も10年になるが、今年春にはマキシマ王妃からの誘いで、ウィレム・アレキサンダー国王の即位式出席のためオランダ訪問を決断するなど、体調は快復に向かっているという。誕生日を機に、英仏の大衆誌が雅子さまを取り巻く環境を報じている。

【雅子さまは皇室の囚人】
 仏週刊誌『パリマッチ』は「雅子、とらわれたプリンスの運命」と題し、「公式写真の中で彼女は笑っているが、皇室は彼女にとって牢獄のままだ」として、以下のように報じている。賢く文化的で学歴もあり美しく、すべてを持ち合わせた雅子さまに、皇太子さまは恋に落ちた。皇太子さまは5年間にわたって雅子さまを口説いたが、彼女は少なくとも2度その求婚を断った。3度目に雅子さまはプロポーズを受けたが、何が彼女を変えたのは明らかではない。

 さらに同誌は、「独立した現代の女性」が、日本の皇室で「無言の配偶者」にならねばならなかったと指摘。加えて子供を長年出産できず、なおかつ男児を生めなかったこと、精神的な圧力や国内外の噂が彼女をさらに押しつぶしたと事情をつづった。雅子さまの皇室入りは誤った選択だったのではないかとまで評する。そして、このような状況を「菊の玉座の囚人」と言うのは、日本ではタブーであると伝えている。

【雅子さまの気持ちが分かるオランダ王室】
 同誌は、欧州王室の跡取りたちは国内外を駆け巡るのに、日本の皇室の妃は東宮御所に閉じこもる生活だ、と報じる。しかし、雅子さまにとって11年ぶりの海外公務となった今年のオランダ訪問は、国内の各メディアも報じたように、状況を良くする手助けになったようだ。

 英週刊誌『ハロー・マガジン』も、「マキシマ王妃が雅子妃の健康改善にとって鍵となる役割を演じた」と冠し、オランダ王室と日本皇室の親密さを紹介しつつ、少しずつ快復する雅子さまの様子を報じている。

 同誌は、オランダのベアトリックス女王は、ドイツ人で夫の故クラウス殿下が、周囲からの批判により鬱病を患ったこともあり、雅子さまの状況に同情しているという、王室ジャーナリストたちのコメントを引用した(編注:当時オランダは第二次大戦後でドイツへの感情は好ましくなかった)。2006年にオランダ王室は皇太子ご夫妻を2週間のオランダ静養に招待している。愛子さまがカタリナ・アマリア王女と親しげに遊ぶ姿が報じられたことは、まだ記憶に新しい。

【医師団は慎重姿勢】
 誕生日に際し、東宮職医師団からは「ゆっくりとではありますが、着実に快復してこられました」との見解が発表された。ただ、「過剰な期待を持たれることは、かえって逆効果となり得る」と慎重な姿勢を示し、「周囲の方々の理解と支援を受けながら、ご治療を続けられることが引き続き大切です」としている。

Text by NewSphere 編集部