「日本ならうまくいきそう」中国のハニートラップ疑惑に対する海外の反応

 日本の大手ハイテク企業の幹部と技術者が、京都・祇園のクラブで、中国人ホステスによるハニートラップにはめられた、という週刊実話の記事をサウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙が紹介している。同誌によると、少なくとも5つの先進企業の社員がクラブの常連だったという。このクラブは6月に店を閉め、経営者だった中国人は、姿を消したようだ。

 店の名前は明らかにされていないが、入店には2万円の会員料が必要で、客あしらいの巧みな8人のホステスが接客していた。中国人経営者は、日本当局の調べに対し、客が店で仕事について話すことはなかったと主張したが、女性たちが勤務時間外に店の外で客と会うことはあったと認めている。

【中国の諜報活動か?】
 女性たちは、会社で開発が進んでいる新しい技術や、中国市場での企業戦略などを話題にしたがったという。同週刊誌は、仕事に関する重要な内容が聞き出せなかったとしても、客は何らかの脅迫を受ける可能性が非常に高いだろうと推測している。

 中国人経営者は当初、32歳のホステスとクラブ会員だった52歳の自衛官などへ偽装結婚を斡旋した疑いで警察から事情聴取を受けた。この結婚は日本の潜水艦に関する情報を得ようという中国の策略のひとつだった、と同誌は報じている。

【中国のハニートラップ疑惑への海外の反応は】
 サウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙は、南シナ海の領土問題の高まりに伴って、中国が日本での諜報活動をより活発にしていることを述べている。

 同紙では、2012年に起こった中国書記官の日本国内でのスパイ疑惑事件や、同時期に発生した、工作機械メーカーのヤマザキマザックで中国人社員が図面データを盗み出そうとした事件などに触れ、中国の諜報活動はその真実味を強めている、と指摘している。

 この記事には、「中国、あなたは何でも盗んでいってしまうんだね、私たちの愛さえも」や「正直な話し、このやり口が日本ですごくうまくいくっていうのは、よくわかる。」など海外からの投稿が寄せられている。

【ハニートラップ回避に効果?最新研究とは】
 ちなみに、ハニートラップに関して効果があると考えられる研究がネイチャー誌で発表された。

 同誌によると、健康な成人男性被験者にその女性が信頼性できるかどうか、写真だけで選んでもらう実験を行ったところ、被験者たちは、男性を騙そうと決めていた女性を選んでしまう危険な判断をするという結果だった。

 この結果は、男性の信頼心は、女性の見た目に大きく左右されるということを示しているようだ。しかし、これに対し、テトラサイクリン系の抗生物質で、精神障害の症状改善や健康な人の冷静な判断を促進する効果があるミノサイクリンという薬物を投与した被験者のグループは、女性の信頼性を判断するのに、表面的な印象に強い影響を受けなかったという。

Text by NewSphere 編集部