世界初! 風船のようなコンサートホール、被災地に出現

 空気を注入して作られた、世界初のコンサートホールが日本に登場した。このホールは、東日本大震災の復興への願いと希望をこめて、9月27日から宮城県松島で開催中の音楽イベント「ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ松島2013」のために設置されたもの。

 同イベントでは、ベネズエラ出身の著名な指揮者グスターボ・ドゥダメルによる、東北の子供たちとの音楽ワークショップや、坂本龍一のコンサートなど、豪華な出演者たちによる様々なプログラムが、10月13日まで開催されている。

 世界的に活躍する建築家の磯崎新と、イギリス人彫刻家アニッシュ・カプーアとのコラボレーションによって生まれたコンサートホールの特徴について、海外メディアが報じている。

【空気注入式】
 巨大なプラムのようでもあり、真ん中が凹んでいてドーナツのようにも見えるホールは、外観のユニークさでも注目を集めている。空気を注入して作られているが、凹んだ中心部が柱となっており、悪天候や強風にも耐えられるよう設計されていると、ギズモードは報じている。ホールに穴が空いてしぼんでしまわないように、ピンバッジやレターオープナーのようなグッズは販売しない方がよいだろうとも指摘している。

【持ち運び可能】
 約500人が入れるというこのホールは、設置や撤去が簡単で持ち運びが可能でもあるため、様々な地域や場所でイベントを開催することができる。このようなコンサートホールは、津波の被害を受けた松島に適していると、カプーア氏はテレグラフ紙の取材に答えている。

【災害復興への願い】
 また、ホールの座席には、東日本大震災で津波の被害を受けた瑞巌寺の杉が使われている。音楽やアートの力を結集させたこのような取り組みは、被災者に希望をもたらすと、CNETは報じている。素晴らしい企画だという声に加えて、このホールのコンセプトを被災地の避難シェルターとして活用してもよいのではないか、という意見も見られた。

Text by NewSphere 編集部