台風18号直撃 海外は原発への影響を懸念
16日午前8時前、愛知・豊橋市付近に上陸した大型の台風18号(マンニィ)は、列島を縦断し、近畿地方を中心に河川の氾濫や土砂災害など甚大な被害をもたらした。
共同通信によれば、死者3人、行方不明者は5人。NHKは、128人が重軽傷で、4千棟以上が浸水、土砂崩れや暴風により少なくとも270棟が損害を被ったと報じている。
気象庁によれば、一時間の降水量3インチ(約80ミリ)、最大瞬間風速100mph(50メートル)で、「これまでに経験したことのないような大雨」として特別警報を発表した。特別警報は、「数十年に一度」を基準としている。
特別警報が出た3府県では、最大約87万人に避難指示や勧告がでた。観光地として有名な京都の嵐山では、桂川が氾濫。旅館や土産店が浸水被害をうけた。
台風18号は、首都圏にある在日米軍基地にも影響を与えている。軍放送網によれば、厚木基地や座間キャンプなどのオペレーションは見合わせられ、基地内スクールも閉校となったと伝えている。
【福島第一原発への影響は?海外の反応】
台風18号は東北地区にも直撃し、福島周辺にも豪雨をもたらした。海外各紙は、福島第一原発への直撃で、汚染水タンク周辺にたまった雨水を海へ放出せざるを得ない状況だったと報じている。
東京電力は、これらの水について、放射性物質の濃度を調べたところ、1リットルあたり最大24ベクレル含まれていたという。海への排出基準の30ベクレルを下回っていたため、緊急措置として、たまった水を順次、海に放出したという。
一方、約300トンの汚染水が漏れた別のタンクの囲いの中にたまった水からは、1リットルあたり17万ベクレルが検出されたため、近くのタンクに移された。
同社の広報担当は、原発へのダメージはないと語りながらも、台風の影響で16日予定されていた屋外作業が取り消しになったことも伝えている。すでに遅れている工程表に影響がでそうだ。
なお、AP通信によると、先月の汚染水漏れが発覚し、安全性について懸念の声が高まっていることもあり、規制当局が調査中であると伝えている。
【台風18号直撃 海外の声は】
このニュースを伝えるハフィントン・ポスト(米国版)の記事には、400件以上のコメントが寄せられている。
原発や五輪に関しては、
「これって原発には良いニュースじゃないの?暴風雨が汚染水を低濃度にするでしょう」
「東京で五輪、ばかげている」
「日本は天災王国、東京で五輪が開催されるのにちょっと不安、でもうまくやってくれると信じている。ただ、地震が怖い」などのコメントがあった。
また、同時期に豪雨と洪水の被害を受けた米コロラド州のユーザーから、お悔やみと励ましのコメントが寄せられていた。