腎臓の健康のために食べたい・気をつけたい20の食材 バナナ、アボカド、ニンニク…避けるべきは?

◆5.ジャガイモ、サツマイモ

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 ジャガイモやサツマイモは栄養価の高い主食系の野菜だが、腎臓の健康を守りたい人や慢性腎臓病でカリウム制限が必要な人にとっては「避けたい、または調理と量を強く調整したい食品」になりやすい。どちらもカリウムが多い部類で、腎機能が低下していると余分なカリウムを排出しにくくなり、高カリウム血症のリスクが上がる。とくにサツマイモはカリウムに加えてシュウ酸も多めとされ、腎結石の既往がある人では注意が必要という指摘もある。

 ただし「完全に禁止」ではなく、食べたい場合は工夫で負担を下げられる。ジャガイモは小さく切って水にさらす、またはゆでこぼしや二度ゆでをするとカリウムを大きく減らせるとされ、腎臓食でも条件付きで取り入れる方法として紹介されている。サツマイモも同様に、量を控えめにし、ゆでこぼしなどで調整するのが基本になる。結局のところ許容量は病期や透析の有無、血液検査の値で変わるため、自己判断で頻繁に食べる習慣は避け、主治医や管理栄養士の指示に合わせて量と頻度を決めるのが安全だ。

◆6.デーツ(なつめやし)やプルーン

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 デーツ(なつめやし)やプルーンは、一般には栄養価の高いドライフルーツとして扱われるが、腎臓の健康を守りたい人や慢性腎臓病でカリウム制限が必要な人にとっては「避けたい、またはごく少量に抑えたい食品」になる。最大の理由は、乾燥によって水分が抜け、カリウムや糖分が強く濃縮される点だ。生の果物より少ない量でもカリウム摂取量が一気に増えやすく、腎機能が落ちていると排出が間に合わず高カリウム血症のリスクが高まる。高カリウム血症は不整脈など重い合併症につながり得るため、注意が必要である。

 さらにプルーンやデーツは甘みが強く、少量でも糖質が多くなりやすいので、血糖管理や体重管理の面でも負担になりやすい。もしどうしても食べたい場合は、量をきわめて小さく区切り、頻度を下げ、ほかの高カリウム食品と重ねないよう調整するのが基本だ。代わりに、リンゴやベリー類など低カリウム寄りの果物を選ぶほうが安全である。

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Text by 青葉やまと