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「これも認知症?」チェックしたい15の初期症状 日常のちょっとしたことから早期発見

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◆5.読み書きに支障が出ている

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 文字を読んだり書いたりすることに以前より時間がかかり、内容が頭に入らなくなる変化も、認知症の初期に見られる兆候の一つだ。新聞や本を読んでも意味を取り違えたり、途中で何を読んでいたのか分からなくなったりすることがあるほか、簡単なメモやメールで誤字や言い間違いが増える場合もある。

 これは視力の問題というより、文字を認識し、意味を理解し、言葉として組み立てる一連の脳の働きがうまく連携しなくなるためと考えられている。本人は「疲れているだけ」「集中力が落ちた」と受け止めがちだが、読み書きの困難さが続くと、予定管理や情報理解に影響が及び、日常生活の不便さが目立ち始める。小さな違和感の積み重ねとして捉えることが重要だ。

◆6.人付き合いが悪く、意地悪になった

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 以前は問題なくできていた人付き合いを避けるようになり、周囲に対して意地悪な言動が目立つようになる変化も、認知症の初期兆候として指摘されている。友人や家族との会話を面倒がったり、集まりを理由なく断ったりする一方で、些細なことで怒りっぽくなったり、相手を批判する発言が増えたりすることがある。

 これは性格が急に変わったというより、感情を調整したり、相手の立場を想像したりする脳の働きが弱まるためと考えられている。特に前頭葉の機能低下が関係する場合、遠慮や共感が薄れ、結果として「冷たい」「意地悪になった」と受け取られやすい。本人は周囲との距離が広がっている自覚が乏しいことも多く、長く続く変化として現れた場合は注意が必要だ。

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Text by 切川鶴次郎