なぜ世界で新幹線が愛されるのか?海外初進出の台北、真価発揮の米テキサスなど

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♦︎再び計画動き出す、マレーシア

93歳で首相に返り咲いたマハティール首相 / How Hwee Young/Pool Photo via AP

マレーシアとシンガポールを結ぶこの路線は、東南アジア最大のインフラプロジェクトとも称される。2026年に開業を予定しており、国境をまたぐ両都市間の移動は90分にまで短縮される見込みだ。経路長は350キロ前後となり、最高速度は時速350から450キロに達する。

片道200マレーシアリンギット(約5200円)と、低廉な価格でサービスが提供される予定だ。このプロジェクトをめぐり、ヨーロッパと中国に加え、日本の企業が受注を目指していた。日本側は技術や人材を提供し、長期的な視点でマレーシアの経済成長を援助することを目指している。

ただし昨年5月には、93歳で首相に返り咲いたマハティール氏が建設費用の負担を重く捉え、計画のキャンセルを表明している。その後一部区間の計画変更と費用削減を条件に、中国資本が建設を受注した。今後は車両の受注などをめぐり、日本も含めた各国の売り込み合戦となりそうだ。

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Text by 青葉やまと