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出身者が「戻りたい」都道府県ランキング Uターン意欲調査

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◆10位 愛知県 23.3点

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愛知県出身者は、進学や就職で東京や大阪などの大都市圏に向かう人が多い一方、地元を「働く場所」として高く評価する傾向がうかがえる。今回の結果では「すぐにでも戻りたい」「いつかは戻りたい」「戻ってもよい」といった前向きな回答がいずれも平均を上回り、愛知にUターンすることを現実的な選択肢として意識する層の厚さが見て取れる。

名古屋市や三河エリアには自動車関連をはじめとする製造業やオフィス、研究開発拠点が集まり、地方圏の中では職種の選択肢や賃金水準が比較的恵まれているのも特徴だ。住宅費や通勤時間を抑えつつ、一定の収入やキャリアを維持したいと考える出身者にとって、愛知へのUターンは「地元に戻りながらも仕事面で妥協しすぎない」現実的な落としどころになりやすい。テレワークや副業を組み合わせた働き方を受け入れる企業が増えれば、都市部での経験を生かしつつ拠点を地元に移す動きはいっそう広がりそうだ。

◆9位 大阪府 23.4点

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大阪府出身者の中には、進学や転職で東京圏や海外に拠点を移しつつも、「いずれは大阪に戻りたい」と考え続ける人が少なくない。今回の結果では「すぐにでも戻りたい」の割合が平均より高く、「いつかは戻りたい」はやや控えめな一方で、「戻ってもよい」まで含めると前向きな層の厚さが目立ち、戻るなら比較的はっきり決断する都市型Uターンの姿がうかがえる。

大阪市や北摂、堺市周辺には製造業からIT、サービス、クリエーティブまで幅広い仕事が集まり、京都や神戸、奈良にもアクセスしやすい。東京ほど住宅費が高くなく、通勤時間も抑えやすいことから、結婚や子育てのタイミングで「生活の拠点は大阪に戻し、仕事のチャンスは全国とつなぐ」という働き方を選ぶ余地は大きい。テレワークや副業人材の活用が進めば、外で培った経験を地元の企業やスタートアップで生かす動きはさらに広がっていきそうだ。

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Text by 切川鶴次郎