出身者が「戻りたい」都道府県ランキング Uターン意欲調査
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◆12位 広島県 22.7点

Mirko Kuzmanovic
広島県出身者は、進学や就職を機に関西や首都圏に出る人が多い一方で、地元とのつながりを保ち続ける人も少なくない。今回の結果では「いつかは戻りたい」と考える人の割合が全国平均よりかなり高く、「今すぐに」ではなく長い目でタイミングを探るUターン志向がうかがえる。
中国地方の中核都市である広島市や、福山市などの沿岸部には、自動車関連や造船、鉄鋼、流通といった産業が集積し、都市部で培った営業や技術、企画の経験を生かしやすい土壌がある。路面電車やコンパクトな中心市街地、瀬戸内の島しょ部や山間部にも足を伸ばしやすい生活圏は、子育て期やセカンドキャリアを考える世代にとって魅力になりやすい。県外で働く出身者に向けた求人情報やオンライン相談などの受け皿が整えば、「いずれ広島に戻る」という漠然とした思いを、具体的な行動につなげやすくなりそうだ。
◆11位 愛媛県 22.9点

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愛媛県出身者は、進学や就職で関西や中国地方、首都圏へと一度外に出る人が多いが、地元との心理的な距離は決して遠くない。今回の結果では「いつかは戻りたい」と考える人の割合が全国平均よりかなり高い一方、「戻ってもよい」という控えめな回答はやや少なく、単なる選択肢ではなく「いずれ本格的に愛媛に腰を落ち着けたい」という思いがにじむ。
松山市を中心にオフィスや医療機関、製造業が集まり、みかんなどの柑橘(かんきつ)産地や水産業、観光業も含めて、多様な仕事が点在することが背景にありそうだ。道後温泉や瀬戸内海の景観、比較的穏やかな気候とコンパクトな都市環境は、子育て期やセカンドキャリアを考える世代にとって魅力になりやすい。地元企業や自治体が県外在住者向けの情報発信やオンライン相談、短期帰省に合わせた就職イベントなどを充実させられれば、「いつか愛媛に戻る」という思いを現実の移住につなげる後押しになりそうだ。




