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出身者が「戻りたい」都道府県ランキング Uターン意欲調査

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◆18位 栃木県 19.9点

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栃木県では、進学や就職をきっかけに一度首都圏へ出る人が多いものの「地元に早く戻りたい」と考える層が目立っている。今回の結果でも「すぐにでも戻りたい」と答えた人の割合は平均と比べてやや高く、一方で「いつかは戻りたい」「戻ってもよい」といった緩やかな志向の回答は平均を下回り、「戻るなら先延ばしにせず早めに決めたい」という迷いの少ないUターン像が浮かぶ。

宇都宮市や小山周辺には自動車関連などの製造業やオフィスが集まり、東京にも新幹線や在来線でアクセスしやすいため「地元企業で働きながら首都圏ともつながりを保つ」働き方を描きやすい。日光や那須などの観光地を抱える自然環境の良さも含め、生活と仕事のバランスを取りながら腰を落ち着けたい人にとって、栃木へのUターンは具体的な選択肢になりやすいだろう。

◆17位 大分県 20.6点

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大分県は、進学や就職を機に福岡や関西、首都圏へと一度外に出る人が多い一方で、地元への愛着も根強い地域だ。別府や湯布院に代表される温泉地としての知名度が高く、観光やサービス業に加えて、大分市周辺の工業地帯には製造業の雇用も集まる。今すぐUターンするというより、結婚や子育て、親の近くで暮らしたいと考えるタイミングで「大分に戻る」選択肢を具体的に思い描く人が少なくないとみられる。

一方で、都市部と比べた賃金水準や職種の幅の狭さがハードルになりやすく、テレワークや副業を組み合わせた働き方をどこまで受け止められるかも課題だ。移住相談窓口やお試し居住、Uターン就職フェアなどの取り組みが、外に出た出身者の背中を押せるかどうかが問われている。

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Text by 切川鶴次郎