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出身者が「戻りたい」都道府県ランキング Uターン意欲調査

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◆2位 福岡県 32.6点

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福岡県出身者の中には、進学や転勤で一度は東京圏や海外に出ながらも、「最終的には福岡に戻りたい」と考える人が目立つ。今回の結果では「すぐにでも戻りたい」と答えた人の割合が平均の約2倍と高く、「いつかは戻りたい」「戻ってもよい」まで含めると、今すぐ派と将来派のどちらも厚い層を形成している。

九州の中核都市である福岡市や北九州エリアには、サービス業やIT、スタートアップ、製造業など多様な仕事が集まり、都市としての利便性を保ちつつ、住宅費や通勤時間は東京ほどはかからない。空港や新幹線、高速バス網により国内外へのアクセスもよく、「仕事のチャンスを狭めずに暮らしの質を上げたい」というニーズに応えやすい土地だ。Uターンを考えるタイミングとしては、結婚や子育て、親の近居といった人生の節目が意識されることが多いとされ、地元企業や自治体がリモートワークや副業人材の受け皿、県外在住者向けの情報発信をどこまで整えられるかが、この高いUターン意欲を実際の移住へと結び付ける鍵になりそうだ。

◆1位 沖縄県 33.8点

沖縄県出身者の中には、進学や就職を機に本土や海外へと拠点を移しながらも、人生のどこかの段階で「いずれは沖縄に戻りたい」と考え続ける人が多い。今回の結果では「すぐにでも戻りたい」が14%と平均の7%前後を大きく上回り、「いつかは戻りたい」も32.6%と突出して高い。一方で「戻ってもよい」は平均より低く、なんとなくの選択肢ではなく、強い意思を伴ったUターン志向がにじむ。

観光やサービス業、公共部門を中心に仕事が集まる一方、賃金水準や職種の幅は本土の大都市ほどは広くないとされ、地元に戻りたい気持ちと生活の安定をどう両立するかが悩みになりやすい。リモートワークや二拠点居住、地元企業による副業人材の受け入れなど、沖縄に暮らしの拠点を置きながら全国や世界とつながって働ける仕組みをどこまで整えられるかが、この強いUターン意欲を現実の移住につなげるカギになりそうだ。

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Text by 切川鶴次郎