北朝鮮の真の姿を伝える20のこと 地下には10兆ドルのお宝が眠る?

Pyongyang Press Corps Pool via AP

♦︎4割が栄養失調
 現状では豊かな暮らしにはほど遠く、食糧不足に苦しむ国民が増加している。2000年の時点で37.5%だった栄養失調の割合は、2018年には43.4%にまで増加した。劣悪な労働環境と政府からの抑圧もあり、お世辞にも快適な生活とは言えそうにない。ただし市民の生活には、部分的に改善も見られる。携帯電話やDVDプレーヤーなど、近代的な機器を入手することが一般市民でも可能になってきた。1世代ほど前には考えられなかったことだ。さらに街には映画館やウォーターパークなどが造られており、ある程度の娯楽を楽しむことはできているようだ。

Hyesan, Ryanggang province, North Korea – August 5, 2017: People washing clothes in Yalu river at the border to Changbai, China/ Stefan Bruder / shutterstock.com

♦︎どの商品にも2つの価格
 北朝鮮の雇用形態として、政府が人々を直接雇用する公式なものと、市民が非公式に働き口を見つけるものがある。その賃金には大きな開きがあり、たとえば北朝鮮政府から支給される賃金が3000ウォン程度に留まる一方、中国関連企業の工場に働き口を見つけられた場合には、最大でその100倍となる30万ウォンを得られることもある。このため政府が公式に定めている物価と実際に市場で取引される物価には大きな開きが生じており、あらゆる商品に2つの価格が存在するという奇妙な事態が起きている。

Seafood shop at Jagalchi market in Busan, South Korea / Subodh Agnihotri / shutterstock.com

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Text by 青葉やまと