ノーベル賞「受賞者数が多い国」トップ20──圧倒的1位は? 日本は何位
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◆10位 オーストリア(25)

アントン・ツァイリンガー氏(2022年物理学賞)|Jaqueline Godany / Wikimedia Commons
オーストリアは、ウィーンを中心とする学術基盤と国際都市機能を背景に、平和・文学・基礎科学で独自の足跡を残してきた。平和では、反戦を貫いたベルタ・フォン・ズットナーが20世紀初頭に先鞭をつけ、のちにウィーン本部のIAEAが非拡散の取り組みで栄誉を得て「国際機関の都」としての顔も示した。文学はエルフリーデ・イェリネクから、評価と議論の的となったペーター・ハンドケまで、言語実験と表現の射程で存在感が大きい。
科学では、ワグナー・ヤウレックのマラリア療法の発見から、量子情報の時代を切り開いたアントン・ツァイリンガーまで、臨床と基礎を往還する成果が続く。受賞史の底流には、帝国期から現代に至る越境的人材の往来と、研究・文化・外交が交差するウィーンの力学がある。
◆9位 スイス(27)

ミシェル・マイヨール氏(左)、ディディエ・ケロー氏(2019年物理学賞)|Astrofisch66 / Wikimedia Commons
スイスは、人道と基礎科学の双方でノーベル史に独自の輪郭を刻んできた。平和の領域では、赤十字の創設者アンリ・デュナンと、スイスに本部を置く国際赤十字委員会(ICRC)のたび重なる受賞が、「中立」と「人道」の結節点としての役割を象徴する。
科学では、高分解能NMRを切り拓いたリヒャルト・エルンスト、免疫学の地平を広げたロルフ・ツィンカーナゲル、クライオ電子顕微鏡で生命分子を可視化したジャック・デュボシェらが、精密さを信条とする研究文化を体現してきた。さらに、系外惑星の発見で天文学を刷新したミシェル・マイヨールとディディエ・ケローは、ジュネーブを拠点に国際共同研究の力を示した。背景には、ETHチューリッヒなど世界水準の拠点と、国際機関が集積するジュネーブのエコシステムがある。




