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ノーベル賞「受賞者数が多い国」トップ20──圧倒的1位は? 日本は何位

Goran Of Sweden / Shutterstock.com

◆12位 イタリア(21)

ジョルジョ・パリージ氏(2021年物理学賞)|Lorenza Parisi / Wikimedia Commons

イタリアは、科学・文学・平和の各分野に厚い受賞史を持つ。通信革命を牽引したマルコーニ、原子核・素粒子でフェルミやルッビア、宇宙X線天文学のジャッコーニ、複雑系のパリジまで理工系の層は深い。化学ではナッタが高分子化学を刷新し、医学ではゴルジの染色法からレヴィ・モンタルチーニ、ドゥルベッコ、ルーリアらが生命科学の基盤を築いた。

文学はカルドゥッチ、デレッダ、ピランデッロ、クワジモド、モンターレ、そしてフォーへと続く多彩な系譜があり、平和ではモネタが国際仲裁を推進した。さらに国外拠点で成果を挙げた出身者も多く、ディアスポラと本国の研究機関が相互に刺激し合う循環が、同国のノーベル史を特徴づけている。

◆11位 オランダ(22)

グイド・インベンス氏(2021年経済学賞)|Filetime / Wikimedia Commons

オランダは早くから物理学の巨人を輩出し、磁場と光の相互作用を切り開いたローレンツとゼーマン(1902年)、低温物性を拓いたカメルリング・オネス(1913年)が学術基盤を築いた。医学ではエイントホーフェンが心電図法を確立し、生命計測を臨床へ押し出した。その後も位相差顕微鏡のゼルニケ(1953年)から、電弱理論を整えたフェルトマン/フーフト(1999年)まで、基礎に強い系譜が続く。

化学では成層圏オゾン研究のクラッツェン(1995年)、分子マシンのフェリンガ(2016年)が国際基準を更新した。経済学ではヤン・ティンベルゲンが計量モデルで政策分析の骨格を与え、最初期の受賞者として学派の礎を築いた。さらにハーグに本部を置く化学兵器禁止機関(OPCW)の和平賞(2013年)は、同国の「法と制度」を通じた貢献を象徴する。

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Text by 切川鶴次郎