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ノーベル賞「受賞者数が多い国」トップ20──圧倒的1位は? 日本は何位

Goran Of Sweden / Shutterstock.com

◆同率15位 オーストラリア(14)

ブライアン・P・シュミット氏(2011年物理学賞)|Vincenzo108 / Wikimedia Commons

オーストラリアは医学・生理学賞に強く、受賞の約半数をこの分野が占めるのが特徴だ。X線結晶学の父子受賞(ブラーグ父子)に始まり、胃潰瘍の原因菌発見で教科書を書き換えたマーシャルとウォレン、T細胞免疫でドハーティらが続く。

テロメア研究のブラックバーンは同国初の女性受賞者で、基礎から医療への橋渡しを象徴する存在だ。物理では宇宙の加速膨張の発見に貢献したブライアン・シュミットが国際共同研究の力を示した。さらに、メルボルン発の反核キャンペーンICANの和平賞は、市民社会の底力を世界に示している。

◆同率15位 イスラエル(14)

ヨシュア・アングリスト氏(2021年経済学賞)|MeJudice / Wikimedia Commons

イスラエルの受賞史は、基礎科学の厚みと外交・社会の転換を映す。化学では、ユビキチン研究のツィカノーヴァー/ヘルシコ(2004年)以降、リボソーム構造を解き明かしたアダ・ヨナト(2009年)、準結晶を発見したダン・シェヒトマン(2011年)、計算化学を切り拓いたアリエ・ワーシェル(2013年)らが国際基準を更新してきた。

経済学では、行動経済学のダニエル・カーネマン(2002年)とゲーム理論のロバート・アウマン(2005年)が思考のバイアスや協力の戦略を可視化した。文学ではS.Y.アグノン(1966年)がヘブライ語文学の現代性を刻み、平和賞ではベギン(1978年)、ラビンとペレス(1994年)が中東和平の道筋を世界に示した。背景には、ワイツマン研究所やテクニオンといった研究拠点の力、国際共同研究への開放性がある。

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Text by 切川鶴次郎