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ノーベル賞「受賞者数が多い国」トップ20──圧倒的1位は? 日本は何位

Goran Of Sweden / Shutterstock.com

◆同率15位 ノルウェー(14)

ヨン・フォッセ氏(2023年文学賞)|Markus Wissmann / Shutterstock.com

ノルウェーは、平和賞の選考を担う委員会を自国に抱え(授賞式もオスロで行われる)、受賞の物語そのものを内側から見つめてきた稀有な国だ。文学ではビョルンソン、ハムスン、ウンセットから近年のヨン・フォッセまで、独自の言語感覚と静謐な倫理観が連なる系譜がある。

科学ではオンサーガーやギアヴェール、非平衡の構造に迫った化学のハッセル、神経回路の「場所細胞」をめぐる研究で評価されたモーザー夫妻など、基礎に強い顔ぶれが目立つ。経済学でもフリッシュ、ハーヴェルモ、キードランドと、計量・動学の革新が世界標準を更新してきた。さらに、探検家で人道家のフリチョフ・ナンセンが難民救済に尽くした歴史は、平和賞の理念と深く響き合い、同国の受賞史を象徴している。

◆同率15位 デンマーク(14)

モーテン・P・メルダル氏(2022年化学賞)|Archivo Fotográfico Universidad de Navarra / Wikimedia Commons

デンマークは、医学・物理・化学・文学・平和の各分野で、早くから国際研究と市民社会活動の双方を結びつけてきた。医学ではフィンセンが光線療法で医療に新たな道を切り開き、国際的評価の嚆矢となった。物理ではニールス・ボーアが原子構造の理解を飛躍させ、その精神を体現するニールス・ボーア研究所がコペンハーゲンの知のハブとして機能し続ける。その系譜はアーゲ・ボーアらの原子核構造研究へ受け継がれ、理論と実験の往還が世界標準を更新してきた。

化学ではスコウがナトリウム・カリウムポンプの発見で生命現象の基盤に光を当て、近年はメルダルが「クリック化学」で分子組み立ての常識を変えた。文学の厚みや平和運動の伝統も息づき、フレデリク・バイエルの活動は北欧の協調と議会主義の象徴的成果として記憶されている。研究機関の強さと国際往来、そして市民的関与の三位一体が、この国のノーベル史を特徴づけている。

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Text by 切川鶴次郎