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ノーベル賞「受賞者数が多い国」トップ20──圧倒的1位は? 日本は何位

Goran Of Sweden / Shutterstock.com

◆同率20位 アイルランド(11)

ウィリアム・セシル・キャンベル氏(2015年生理学・医学賞)|Bengt Nyman / Wikimedia Commons

アイルランドは、詩と演劇の厚い層、科学・和解の実践が交差する受賞史を持つ。文学ではイェーツ、ショー、ベケット、ヒーニーが、国民的想像力からモダニズムまで連なる表現の射程を示した。物理ではウォルトンが人工的な核変換を実証し、研究基盤の国際往還が成果を生んだ。

医学生理学ではキャンベルが寄生虫疾患の治療を塗り替え、基礎から臨床への橋渡しを体現した。平和賞ではマクブライド、コリガンとウィリアムズ、ヒュームとトリンブルが、北アイルランドの暴力の連鎖を断ち、協働と和解の枠組みを世界に示した。国境・言語・市民権を越える「移動」と「対話」が、同国のノーベル史を特徴づけている。

◆19位 インド(13)

アビジット・V・バナジー氏(2019年経済学賞)|Sriya Sarkar / Wikimedia Commons

インドは、詩歌から基礎科学、経済学、平和運動まで受賞領域が広い。文学ではタゴールが英訳詩集で世界文学の地平を切り開き、科学ではラマンが光散乱の発見で物理学に金字塔を立てた。その後も、サティアルティが児童労働廃絶と教育の権利を掲げて平和賞を受け、経済学ではセンが厚生経済学、バナジーが貧困削減の実証研究で評価を受けた。

また、コラナやチャンドラセカール、ラマクリシュナンのように、インドにルーツを持ちながら国外の研究拠点で花開いた人材も目立つ。こうした「国内の知の土壌」と「ディアスポラの往還」の相乗が、同国のノーベル史を特徴づけている。

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Text by 切川鶴次郎