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ノーベル賞「受賞者数が多い国」トップ20──圧倒的1位は? 日本は何位

Goran Of Sweden / Shutterstock.com

◆4位 フランス(78)

アニー・エルノー氏(2022年文学賞)|Frankie Fouganthin / Wikimedia Commons

フランスは、文学・科学・経済・人道の各領域で受賞が途切れず続く「厚み」が際立つ。文学はカミュから近年のアニー・エルノーまで、社会と個人の記憶を精緻に照射する書き手が国際基準を更新してきた。自然科学では、キュリー夫妻やド・ブロイの古典的系譜を受け継ぎつつ、量子情報や超高速光学まで射程が広がり、2025年の物理学賞ではミシェル・ドゥヴォレが量子回路での巨視的量子現象の実証で栄誉を得た。

経済学では市場の規制設計を切り開いたジャン・ティロール、貧困研究を実験で刷新したエステル・デュフロ、そして2025年にはフィリップ・アギオンが技術革新と成長の理論で評価された。平和の領域でも、フランス発祥の国境なき医師団(MSF)が人道支援の実践で受賞し、「共和国の学知と現場」を結ぶ同国の強みを象徴している。

◆3位 ドイツ(116)

アルベルト・アインシュタイン氏(1921年物理学賞)|Photograph by Oren Jack Turner, Princeton, N.J. / Wikimedia Commons

ドイツの受賞史は、初代物理学賞のレントゲンに始まり、量子論のプランク、相対論のアインシュタインらが二十世紀科学の骨格を形づくったところに象徴される。重原子核の核分裂を見いだしたハーン、結核研究のコッホなど、医学・化学でも基礎と応用が往還した。

文学ではギュンター・グラスが戦後社会の記憶と倫理を問う表現で評価され、政治ではオストポリティクを推し進めたヴィリー・ブラント、体制批判で牢にあっても言論の自由を貫いたオシエツキーが平和賞に名を刻んだ。長期でみれば、ドイツは総受賞者数で世界上位を維持し、物理・化学・医学でとりわけ強みが際立つ。

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Text by 切川鶴次郎