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人口比で探る、真に外国人に人気の都道府県ランキング 意外な上位県も

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日本を訪れる外国人観光客は年々増加しているが、その訪問先の人気を測る方法は一様ではない。従来は都道府県別の外国人延べ宿泊数が注目されてきたが、人口の多い都市圏が上位を占めやすく、地域の「魅力度」を必ずしも正しく映しているとは言い難い。そこで注目したいのが、延べ宿泊数を人口で割った指標だ。人口規模に左右されず、外国人がどれほど集中して訪れているかを示す点で、観光地としての吸引力を浮かび上がらせる。本記事では、人口1人あたりの外国人延べ宿泊数に基づき、上位20の都道府県を紹介する。

◆20位 神奈川県 0.48

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神奈川県は、首都圏にありながら多彩な観光資源を備えている点が訪日外国人を引きつける大きな魅力だ。横浜は開港以来の国際都市として知られ、みなとみらい地区や中華街、赤レンガ倉庫などの異国情緒あふれる街並みが人気を集めている。

鎌倉は古都としての歴史的価値が高く、大仏や寺社仏閣、四季折々の自然景観が訪れる人々を魅了する。加えて、箱根は温泉や美術館、富士山を望む景勝地として世界的に知名度が高い。都市的な洗練と歴史、自然の調和が楽しめる神奈川県は東京からのアクセスの良さも相まって、外国人観光客にとって魅力的な滞在先となっている。

◆19位 長崎県 0.51

Arthit Kaeoratanapattama / Shutterstock.com

長崎県は、日本と海外の交流の歴史を色濃く残す土地として、訪日外国人に大きな魅力を放っている。江戸時代に唯一の開港地として繁栄した出島は、異文化が交わった象徴的な場所であり、世界遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」も歴史的価値が高い。

さらに、グラバー園やオランダ坂など異国情緒漂う街並みは観光客を引きつける。加えて、長崎原爆資料館や平和公園は戦争と平和を考える場として海外からの訪問者も多い。自然面では五島列島の美しい海岸線や新鮮な海の幸も魅力で、歴史・文化・平和・自然が複合的に楽しめる県として国際的な注目を集めている。

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Text by 切川鶴次郎