温暖化で溶ける氷、蘇る病原体……パンデミックの危険性は?

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新型コロナウイルスの出現で世界はパンデミックに陥っているが、研究者たちは、今後も人類の脅威となる感染症はコロナ以後も出てくると見ている。その原因になると危惧されているのが、気温上昇による氷や永久凍土の溶解で大気中に放出される病原体だ。地球温暖化で、新型コロナに続く第2のパンデミックが起こるのだろうか。

◆眠る病原体 太古の氷から未知のものも発見
スイス放送協会の国際ユニットSWIは、新型コロナのパンデミックの明らかな教訓の一つは、テクノロジーや医学が進歩しても、未知の病原体に対し人類は脆弱だという事実だとする。世界は新型コロナウイルスの起源を探そうとしているが、研究者たちは、新たな脅威の可能性は動物や研究室ではなく、氷の下にあるのかもしれないと警告しているという。

1月初めに、1万5000年前からあるとされる中国チベット高原北西部の氷河から採取された氷床コア(研究目的で氷河などの深層から取り出した氷のサンプル)から33種類のウイルスが確認され、そのうち22種類は未知のウイルスだったと報告する論文が発表された。フランスの環境ウイルス学の研究者のChantal Abergel氏は、そもそも地球上のすべてのウイルスを採取することは困難とし、未知のウイルスが発見されても驚きではないと述べている(ウェブ誌『VICE』)。

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Text by 山川 真智子