なぜ東京が「経済的豊かさ」全国最下位なのか 中間層の厳しい現実
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◆生活費の高さが家計を苦しめる
このように東京の可処分所得は、平均的な住民の実態を表しやすい中央世帯に限定した場合、必ずしも日本で上位とはならない。そればかりでなく、次に述べるように、より現実的に自由に使える余剰資金の額という意味では、むしろ下位圏に位置するようだ。
先ほどは中央世帯の可処分所得をもとにランク付けしたが、可処分所得は収入から、税金や社会保険料などだけを差し引いたものだ。実際の生活では、食費、家賃、水道光熱費が毎月必ず発生する。国交省データではこれらを基礎支出と位置づけ、都道府県ごとに基礎支出の額を算出した。結果、東京は中央世帯の基礎支出が最も大きな都道府県となった。
1位:東京都(19万9372円)
2位:神奈川県(18万2334円)
3位:埼玉県(17万4779円)
以下順に、千葉県、京都府、大阪府、兵庫県と続く。首都圏や大阪圏の基礎支出が軒並み高い実態が改めて浮き彫りになった。可処分所得からこうした基礎支出を差し引いた差額が、現実的にレジャーや貯蓄などに回すことのできる余剰資金となる。東京は、中央世帯の差額について19万3343円で、47都道府県中42位となり、ワースト6位となった。43位以下は、大分県、大阪府、長崎県、青森県、沖縄県の順になっている。