高速鉄道「不毛の地」アメリカに変化? 新プロジェクト着工 新幹線へ注目も
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◆中国の後を追うアメリカ
すでに高速鉄道網が発達している国の一つに中国がある。米ニューズウィーク誌は、アメリカの高速鉄道計画は、中国に比べて大きく遅れていると指摘する。中国はすでに2万5000マイル(約4万キロ)以上の高速鉄道網を持ち、これは地球1周分に相当する。2019年には年間延べ23億人近くが高速鉄道を利用しており、これは同国の全鉄道旅客輸送の約63%に相当する。これに対し、アメリカではやっと最初の高速鉄道の建設が始まった段階だ。
アメリカでは複数の高速鉄道プロジェクトが進行中だが、多くは資金面で課題を抱えている。フォーブス誌などによると、少なくとも7つのプロジェクトが存在する。
既述のブライトライン・ウェスト線と北東回廊に加え、ブライトライン・ウェスト線に接続予定でありカリフォルニア州をほぼ縦断するカリフォルニア高速鉄道や、日本の新幹線技術を利用する後述のテキサス州・ダラス-ヒューストン線、これに近接するダラス-フォートワース線がある。シカゴおよびシアトルを起点とする計画もそれぞれ存在する。ただしこれらのうち、必要資金が現時点で完全に調達されているものは、既存路線を新型アセラに置き換える北東回廊のみだ。
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