増える「熟年離婚」の割合、その背景に何が? 2段階の危機、離婚を回避するヒント
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◆子離れ後に訪れる「空の巣症候群」
熟年離婚の割合は、なぜ増加しているのか。最も大きく指摘されているのが、「空の巣症候群」だ。
ベリー・ウェル・マインドは、子供が家庭から独立していなくなったことが転機になる、と述べている。2人だけの暮らしに戻った夫婦は、親としての役割以外に、思いのほか共通点が少ないことに気づくことが多いという。子供と同居していた時代には疑いもしなかった親密さやつながりを見つめ直す機会が生じ、婚姻生活の外に充実感を求めるようになることがあるようだ。
20年の結婚生活の末、53歳で離婚を決めたオーストラリア人女性のリアン・ウィンターさんはABCに対し、「私たちはとてもいい暮らしをしていましたし、とても幸せでした」と語る。しかし、「でも、時が経つにつれ、私たちはただ離れていったのです」とも振り返る。長寿化で人生の先が長くなった今だからこそ、生き方を見つめ直したいという考えも働きやすいのだろう。
夫婦カウンセリングを専門とする心理学者のナフーム・コザック氏はABCに、「結婚して間もない頃は、問題に直面しても、子育てなどほかの問題への対処で手が回らず、曖昧になりがちです」と述べている。熟年になると、より相手や相手の問題と正面から対峙する時間が増え、不満を蓄積しやすくなるようだ。