「世界の都市総合力」東京3位 成長と後退の分野が明確に 大阪、福岡は?

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 シンクタンクの森記念財団都市戦略研究所が2023年11月に発表した「世界の都市総合力ランキング」で、東京は8年連続の世界第3位となった。2016年以来、1位にイギリスのロンドン、2位にアメリカのニューヨーク、そして3位に日本の東京という構図が続いている。一方、総合順位は変わらないものの、分野別スコアの内訳に変化があった。変化を紐解けば、東京の安穏としてばかりもいられない事情が見える。

◆都市の「総合力」、8年連続で東京は世界3位
 ランキングは、各都市が有望な人材や企業を引き寄せ、国際競争に勝ち抜くうえで、都市の「総合力」が重要な役割を果たすとの見地に立って作成された。世界48の主要都市を対象に、「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通・アクセス」の6分野を評価し、総合スコアを集計した。

 結果、東京が世界第3位となった。8年連続の3位であるほか、2014年以来、東京は10年連続で4位以内に入っている。

 分野別の偏差値で東京は、「環境」分野がやや弱いものの、そのほか5つの分野でバランスの良い強みを見せている。比較として1位のロンドンは、「文化・交流」分野が突出し、代わりに「環境」「居住」分野が弱い。

 2位ニューヨークは、「経済」「研究・開発」「文化・交流」「交通・アクセス」が非常に強い半面、「居住」「環境」が非常に弱い極端なバランスとなっている。これに対して東京は、16位となった「環境」分野を除くすべての分野で世界10位以内に入った。

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Text by 青葉やまと