週休3日は可能か? 世界で広がる導入の動き 日本でも

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◆スペイン、ドイツ…各国で広がる試験導入
 動きはイギリス以外にも広がる。スペイン第3の都市・バレンシアでは、2023年4月から5月にかけて、4週連続で月曜日を休日とする週休3日制を試験的に実施した。約36万人の労働者を巻き込んだ大規模な試みだ。世界経済フォーラムによると、労働者のストレス軽減、疲労度の低下、幸福度の向上などが確認されたという。

 ベルギーは2022年11月、週休3日制の法制化に踏み切った。週の合計労働時間は変えずに、4日間で労働をこなす。ユーロニュースによると、ベルギーのアレクサンダー・デクロー首相は、この制度により柔軟な労働市場が創出され、仕事と家庭生活の両立が容易になるとコメントしている。

ベルギーのデクロー首相|Alexandros Michailidis / Shutterstock.com

 ドイツでは、2024年2月1日から45社が参加する6ヶ月間の試験的導入が実施された。労働者の71%が週休3日制を選択できる権利を望んでおり、雇用者の46%は自社での試験的導入を「実現可能」と考えているという。

 アイスランドでは2015年から2019年にかけて、世界最大規模の週35〜36時間労働のパイロットプログラムを実施した。世界経済フォーラムによると、この試みは成功を収めたようだ。労働者のストレスと燃え尽き症状が軽減され、ワークライフバランスが改善された。

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Text by 青葉やまと