◆2位　TGV POS
フランス
最高時速575キロ

Norbert Hüttisch, Karlsruhe / Wikimedia Commons

TGV POSは、フランス国鉄（SNCF）がLGV東ヨーロッパ線の開業と、ドイツ鉄道・スイス連邦鉄道方面への国際直通を見据えて2006〜2007年に導入した高速列車だ。「POS」はパリからフランス東部を経てドイツ南部へ向かう系統名に由来する。

両端の動力車と連接客車8両の計10両編成で、フランスの交流25000Vに加え、ドイツ・スイスの交流15000Vやフランスの直流区間にも対応する三電源仕様を採る。最高運転速度は時速320キロで、急勾配区間でも国際列車として安定した高速走行ができるよう出力や機器構成が強化された。

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この形式はまた、世界の鉄道史に残る高速試験「V150」のベース車にもなった。2007年のLGV東ヨーロッパ線開業前テストでは、TGV POSの動力車2両に、改造したDuplex客車などを組み合わせた特別編成を用い、架線電圧の引き上げや空力改良を加えたうえで速度記録に挑戦した。

その結果、同年4月3日に最高時速574.8キロを達成し、通常の車輪式鉄道として世界最高の速度記録を更新した。TGV POSは営業の主力であると同時に、次世代高速鉄道技術の到達点を示した象徴的な車両といえる。

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