コンコルド越えなるか、高速旅客機20選 Boom Supersonicなど開発中の最新鋭機も

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♦︎エアバス A380
最高速度:時速1088キロ
エアバス A380は、フルダブルデッカー仕様、世界最大の大型ジェット機だ。525人という乗客数は、ボーイング747のスペックを100名近く上回る。これは両社の戦略の違いによるものだ。エアバス社は主要空港同士を大型機で結び、そこから小型機に乗り換えて目的地を目指す「ハブ&スポーク」方式を推進している。このため、ハブ同士を結ぶ大型機の定員拡大に力を入れている。対するボーイング社は空港同士を直接結ぶ「ポイント・ツー・ポイント」を志向しており、中型機の供給が比較的多くなっている。

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♦︎セスナ・サイテーションX
最高速度:時速1127キロ
セスナ・サイテーションX(テン)は、双発の長距離ビジネス機だ。コンコルド以外の民間機としては、登場当時トップの速度を誇った。ツアーで世界を駆けるゴルファーたちがとくに愛用しており、プロ選手のアーノルド・パーマーもオーナーの一人であった。氏は傘のワンポイントで有名な同名のファッションブランドの由来ともなっている人物だ。熱心な航空ファンであった彼は生涯通算7機を買い替え、自ら操縦かんを握っている。81歳でパイロット免許が失効するまで、最後の相棒となったのが本機であった。

Alan Wilson / wikipedia

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Text by 青葉やまと