エナジードリンクは身体に良いのか、悪いのか? 効果と注意点
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◆国内でも起きた死亡例
大量に摂取したケースでは、死亡例も発生している。日本国内での死亡例として、2015年に九州地方の20代男性が、カフェイン中毒により死亡した。
産経新聞によると、男性は24時間営業のガソリンスタンドで深夜から早朝にかけて勤務しており、眠気覚ましのためにカフェイン入り清涼飲料水(エナジードリンク)を日常的に大量に摂取していた。
遺体の解剖を担当した福岡大学法医学教室の久保真一教授によると、男性の血中カフェイン濃度は182マイクログラムに達し、過去の死亡例で確認された70マイクログラムを大きく上回っていたという。
アメリカでも類似の事例が報告されている。英BBCによると2017年、サウスカロライナ州に住む16歳の青年、デイビス・アラン・クライプさんが、短時間に大量のカフェインを摂取した直後に急死した。
リッチランド郡検視官事務所のギャリー・ワッツ検死官は、クライプさんがわずか2時間の間に、マクドナルドのラテ、ラージ・サイズのマウンテン・デュー、さらにはラージ・サイズのエナジードリンクを、立て続けに飲んでいたと指摘。これらカフェイン飲料が原因となり、不整脈を引き起こしたと結論づけた。
興味深いことに、ワッツ検死官はロイター通信に、「(直接の死因は)カフェインの過剰摂取ではない」と語る。このケースでは、体内に存在するカフェインの総量が問題となったわけではなく、短時間で急激に摂取したことで不整脈を招いたという。