負債130兆円、各地に「幽霊駅」…5万キロ迫る中国の高速鉄道網
完成後14年間使われていなかった亦荘駅。昨年10月に正式開業|N509FZ / Wikimedia Commons
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◆最大4割の値上げで収益改善を狙うが…
経済苦は利用者に転嫁されている。CNAによると、巨額の債務問題の解消に向け、2024年初めから主要4路線で運賃値上げに踏み切った。対象は利用者の多い幹線で、収益の底上げを急ぐ狙いがある。一方で地方路線は赤字のまま温存されており、黒字区間の値上げで全体を支える構図が透ける。
値上げ幅は一等席と二等席で約2割、VIPビジネスクラスでは最大4割に達するという。ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)は具体例として、武漢・広州間の約960キロの区間で、二等席が78ドル、一等席が125ドル、ビジネスクラスが273ドルになると伝えている。
国営の中国国家鉄路集団は新華社通信に対し、「路線の維持管理費、車両購入費、設備更新費、人件費が大幅に変動している」と値上げの理由を説明している。
ただ、給与の伸び悩みが続くなかでの負担増に反発は強く、SNSでは「物価は上がるのに給与は増えない」といった不満が相次いだ。鉄路集団は混雑期の上乗せと閑散期の割引を組み合わせる変動運賃を広げ、オフピークの割引拡大で負担感の緩和を狙うとしている。

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