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日本上位 世界「自動車輸出額ランキング」トップ15 2021年

◆2位:日本 885億ドル

 日本の自動車産業は、完成車メーカーと部品メーカーが緻密に連携する供給網を強みに、品質と生産性で世界市場を切り開いてきた。トヨタやホンダ、日産などは、燃費改善や安全技術、ハイブリッド車の量産で先行し、信頼性の高さを競争力にしてきた。部品では電装、制御、素材、精密加工まで裾野が広く、現場の改善活動がコストと品質を両立させてきた。

 一方で、電動化とソフトウエア化の波は産業構造を揺さぶる。電池調達、車載OS、データ活用といった領域で競争が激化し、内燃機関中心の技術資産をどう生かしながら転換するかが課題になる。海外では規制や需要の変化も速く、電動車、ハイブリッド、水素といった複線戦略の是非も問われる。日本は強固なものづくり基盤を武器に、次世代の価値をどこで築くかが焦点だ。

◆1位:ドイツ 1350億ドル

panoglobe / Shutterstock.com

 ドイツの自動車産業は、世界有数の輸出産業として高級車と技術力で存在感を保ってきた。フォルクスワーゲン、メルセデス・ベンツ、ビーエムダブリューなどは、走行性能や安全性、品質感を武器に幅広い価格帯を押さえ、部品メーカーも含めた産業集積が厚い。エンジンや車体、足回りに加え、工作機械や計測、化学素材まで周辺産業が支える構造は強固だ。

 一方で、電動化とソフトウエア化は大転換を迫る。電池の確保、車載ソフトの内製化、工場の再編、雇用の移行が同時に進み、従来の内燃機関中心の優位性は相対的に薄れる。中国市場への依存や、エネルギー価格、地政学リスクも重荷になり得る。ドイツは高付加価値の強みを守りつつ、電動車時代の収益モデルを再構築できるかが焦点である。

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Text by 青葉やまと