日本上位 世界「自動車輸出額ランキング」トップ15 2021年
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◆14位:イタリア 164億ドル

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イタリアの自動車産業は、量より質を武器にしてきた国だ。フィアットに代表される大衆車の系譜がある一方で、フェラーリやランボルギーニ、マセラティなど高級・高性能車が強い存在感を放つ。北部には設計、エンジン、車体、内装、金型まで含むサプライヤーが集積し、「デザインと工学」を一体で売り込めるのが強みである。
近年は電動化とソフトウエア化の波が押し寄せ、伝統の内燃機関技術や職人性をどう更新するかが課題になっている。排出規制の強化で小型車の採算が厳しくなる一方、ブランド価値の高いプレミアム領域は価格転嫁がしやすい。イタリアは、官能性のある走りや造形といった情緒価値を、電動車時代の魅力として再定義できるかが問われている。
◆13位:フランス 207億ドル

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フランスの自動車産業は、国の産業政策と強く結び付きながら発展してきた。ルノーやプジョー、シトロエンといった大手メーカーは、実用性と独自性を両立させた車作りで欧州市場を支えてきた。近年は電動化とソフトウエア化を国家戦略の柱に据え、電動車や次世代モビリティへの投資を加速させている。
内燃機関では小排気量エンジンの効率化で成果を上げてきたが、排出規制の強化で転換は避けられない。フランスの強みは、デザイン性や乗り心地といった感覚的価値に加え、官民連携による研究開発力にある。量産と新技術の両立をどう進めるかが、今後の競争力を左右する。




