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日本上位 世界「自動車輸出額ランキング」トップ15 2021年

◆4位:韓国 447億ドル

Geewon Jung / Shutterstock.com

 韓国の自動車産業は、ヒョンデやキアを中心に、設計から生産、販売までを一体で回す総合力で成長してきた。国内では部品メーカーの裾野が広く、鉄鋼や化学、電子といった周辺産業との結び付きも強い。近年は電動化への転換を急ぎ、電気自動車の専用プラットフォーム開発や電池企業との連携を進めている。加えて、運転支援や車載ソフトなどソフトウエアの比重が増す中で、デジタル領域の強みを車に取り込む動きが目立つ。輸出比率が高い産業だけに、各国の安全・環境規制への適合や、関税、地政学リスクの影響を受けやすいのは課題だ。

 一方で、生産の効率化と品質管理の実績は厚く、価格帯の広い車種展開で市場変動に対応してきた。韓国は、電池供給網とソフト開発力を武器に、電動車時代の主導権をどこまで握れるかが焦点になる。

◆3位:アメリカ 554億ドル

Nolichuckyjake / Shutterstock.com

 アメリカの自動車産業は、世界最大級の市場と巨大な生産基盤を背景に、多様なプレーヤーが競い合う。伝統的なビッグスリーはピックアップトラックやSUVなど高収益車種で強みを持ち、同時に電動化とソフトウエア化への投資を進めている。電気自動車ではテスラが先行し、車載ソフトの更新や充電網を含む統合的な仕組みで差別化してきた。近年は電池工場の新設や素材調達の国内回帰が進み、産業政策と安全保障の観点からサプライチェーンを組み替える動きも強い。

 一方で、労働コストやサプライヤー再編、充電インフラの地域差など課題は多い。アメリカは巨大市場を武器に、電動車とソフトの両輪で覇権を維持できるかが問われている。

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Text by 青葉やまと