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史上最高の国産クラシックカー・トップ20 米ファンが選んだ1位は……?

日産自動車

◆11位:マツダ RX-7 FC(日本名「サバンナ RX-7(2代目)」)

マツダ

マツダ RX-7 FCは1985年に登場した2代目で、ロータリーエンジンの個性と80年代らしい洗練をまとったスポーツクーペとして海外で高い人気を持つ。滑らかな回転フィールとコンパクトなエンジンによる低いノーズ、前後バランスの良さが走りの魅力で、直線だけでなくコーナーでの軽快さが評価されてきた。デザインは初代よりグランドツアラー寄りに成熟し、リトラクタブルヘッドライトや抑揚のあるボディラインが時代性を感じさせる一方、いま見ると強いクラシック感を放つ。ターボ仕様を含む幅広いグレード展開も特徴で、北米ではチューニングベースとしても定着した。ロータリー特有の整備知識が必要な面はあるが、それも含めて「手間をかける価値がある日本車」として熱心な愛好家が多い。良質な個体は減少傾向にあり、純正に近い車両や当時仕様のレストア車はコレクターズカーとしての注目が高まっている。

◆10位:三菱 3000GT(日本名「GTO」)

Steve Glover / flickr

三菱 3000GT(GTO)は1990年代の日本車が持っていた「技術の盛り」を象徴するグランドツアラーで、海外では先進装備を詰め込んだハイテクスポーツとして再評価が進んでいる。強力なV6ツインターボを核に、四輪駆動や四輪操舵など当時としてはぜいたくな機構を組み合わせ、直進安定性と高速巡航性能を重視した性格が特徴だ。ボディは低くワイドで、量感のあるスタイルが90年代らしい迫力を作り、輸出名の3000GTとして北米市場でも存在感を放った。軽快なライトウエイトとは対照的に車重は増えるが、その分「長距離を速く、安定して走る」方向で魅力を発揮する。複雑なメカゆえ整備難度や部品確保が課題になりやすい一方、きちんと維持された個体は希少性が高く、当時の最先端を味わえるクラシックとして価値が上がっている。日本車の技術競争がピークに向かった時代を体感できる一台である。

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Text by 切川鶴次郎