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史上最高の国産クラシックカー・トップ20 米ファンが選んだ1位は……?

日産自動車

◆15位:ダットサン 510(日本名「日産 510型 ブルーバード」)

日産自動車

ダットサン 510は1960年代後半から1970年代にかけて生産された小型セダンで、海外で「日本車が走りで評価された転機」として語られる一台だ。とくに北米で人気が高く、軽量なボディと素直な操縦性に加え、当時としては先進的だった独立懸架の足回りがスポーツ走行で強みになった。外観は端正で飾り気が少ないが、四角いプロポーションと薄いピラーが生むクラシックな雰囲気が魅力である。サーキットやダートのレースでも活躍し、チューニング文化の中で鍛えられた存在でもあるため、現代では当時風のレストアや競技仕様の再現が盛んだ。部品の確保が課題になりつつある一方で、状態の良い個体は希少性が増し、コレクターズカーとしての価値も上がっている。日本製クラシックの入門でありながら奥深い名車として愛され続けている。

◆14位:初代トヨタ MR2

Colin Peachey / Shutterstock.com

初代トヨタ MR2は1984年に登場したミッドシップ2シーターで、手頃な価格帯でミッドシップの面白さを味わえる希少な量産車として海外でも評価が高い。エンジンを車体中央に置くレイアウトは、軽快な回頭性と安定したコーナリングを生み、峠道やワインディングで真価を発揮する。コンパクトなボディに対して走りの密度が濃く、操縦感覚はゴーカート的だとも言われる。一方でミッドシップ特有の挙動もあり、限界付近では扱い手の腕が問われる点が「通好み」の魅力になっている。角張ったウェッジシェイプのデザインは80年代らしい未来感があり、ポップアップヘッドライトも含めてクラシックとしての見映えが強い。いまでは北米やヨーロッパを中心に、オリジナル度の高い車両や当時仕様のレストア車が注目され、日本製ライトウエイトスポーツの名作として価値が上がっている。

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Text by 切川鶴次郎