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史上最高の国産クラシックカー・トップ20 米ファンが選んだ1位は……?

日産自動車

◆3位:初代ホンダ NSX

Dawid S Swierczek / Shutterstock.com

初代ホンダ NSXは1990年に登場したミッドシップのスーパースポーツで、海外では「日常で乗れるスーパーカー」という価値観を定着させた日本製クラシックとして特別な存在だ。アルミボディによる軽量化や高剛性設計、扱いやすい視界と操作系など、速さだけでなく信頼性と実用性を徹底した点が革新的だった。高回転まで滑らかに回るV6エンジンは、鋭いレスポンスと音の質感も含めて評価され、サーキットから街乗りまで幅広い場面で楽しめる。海外では欧州スーパーカーの常識に挑んだモデルとして語られ、製造品質の高さや壊れにくさがブランドイメージを押し上げた。デザインは低く流麗で、派手さより機能美が際立つため、年を経ても古さを感じにくい。近年は状態の良い個体が減り、オリジナル度の高い車両ほど価値が上がりやすい。日本車が世界の頂点級と肩を並べた時代を象徴する一台である。

◆2位:ダットサン 280Z(日本名「日産 フェアレディ Z」)

日産自動車

ダットサン 280Zは、海外でZカーの名を決定付けた世代のひとつで、北米を中心に「手頃で速く、信頼できるスポーツカー」として広く浸透した。ロングノーズ・ショートデッキの王道プロポーションに、直列6気筒エンジンの滑らかな回転感が合わさり、グランドツアラーとしての余裕とスポーツ性を両立する。アメリカの道路環境に合わせた仕様や装備の違いも含め、当時の輸出車がそのまま現地文化に根付いた点が特徴で、いまでも「日本車の黄金期前夜」を象徴する存在として語られる。外観はシンプルだが、細いピラーと長いボンネットが作る雰囲気はクラシックスポーツそのもので、レストアが仕上がると圧倒的に映える。人気が高いぶん個体差も大きく、錆の少ない車両やノーマルに近い車両ほど希少性が高い。海外の旧車イベントでも定番で、日本製クラシックの入り口としても、深掘り対象としても愛され続けている。

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Text by 切川鶴次郎